内容説明
13歳のジニーは、父母、伯父夫婦、子ども7人という大家族のなかで、一番かげのうすい、まったく自己主張しない少女でした。というのもジニーは、幼いころのいとこの死、つい最近の伯母の死に責任を感じ、自分が生きていていいのかという思いをかかえていたからです。そんなある日、ジニーは農場のはずれに、落ち葉や雑草におおわれたトレイルの跡をみつけます。昔、開拓者たちが通ったこの道を自分の手で現代によみがえらせたら、自分という存在の意味をみつけられるかもしれない。ジニーは、たったひとりで小道の復活にとりくみます。トレイルをたどることで、ひたむきに自分の生をたどった少女の熱い物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぱせり
5
「めぐりめぐる月」の姉妹編ということで、サラの3000キロと、この本のジニーの25キロをついつい比べてしまうのですが、わたしは、ジニーの25キロが好きです。物理的な距離は短いし、見える風景は地味ですが、ひとりもくもくと歩み、着実に道を掘り起こし、立ち止まり、行きつ戻りつ、何度も往復し・・・そんな歩き方が好き。2010/01/26
HISA
2
☆☆☆ジニーの辛すぎる経験は、自分なら耐えれただろうかと思う。でも何かにひたむきに取り組むことで、見えてくるものがあるんだろうな。そして、あんなに愚直に愛されるなんて羨ましい!2023/05/13
杏子
2
『めぐりめぐる月』姉妹編。大家族の家に生まれた、みそっかすの女の子ジニーがある日見つけたトレイル…開拓者たちのたどった道。トレイルをきれいにすること、それがジニーの心の寄りどころになった。ジニーはもつれたスパゲティのなかで、ミートボールを見つけることができるのか? 大自然の懐に抱かれて、コツコツと作業をするジニーの執着は実るのか… 不安と迷い、そして… 十代の子どもたちの抱えるものを見事に描いていると思いました。2009/05/02
wattey
1
少女の成長物語だけど、アメリカの田舎の感じがなんとものんびりとしていて心地よく、主人公のおじ、おばの話も切ない。ベットミドラーのブギウギバブルボーイの歌を聴いてみたくなった。
くもりーな
0
ニューベリー賞受賞作『めぐりめぐる月』の姉妹編 ★★★★☆2007/03/04