内容説明
アメリカのオハイオ州ユークリッドから、アイダホ州ルーイストンまで、およそ3000キロのアメリカ横断のドライブ―13歳の少女サラマンカは、祖父母といっしょに、家を出たまま帰らない母親に会いに旅にでます。サラマンカは、旅の退屈しのぎに、親友のフィービーをめぐるミステリアスな事件を祖父母に語ります。語りながら、サラマンカは、自分にもフィービーにも新しい発見をしていき、自分の物語は、たくみに綾なされた3つの物語だったことに気づきます。アメリカ的なストーリーのなかで、ひとりの少女が自己にめざめていく過程を、希望をこめて描く、ニューベリー賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
40
突然家を出たまま帰らない母親を捜しに、祖父母と共にアメリカ横断の旅に出た13歳の少女の物語。風変わりな登場人物に馴染めず、なかなか物語に入り込めなかったのですが、終盤になると俄然面白くなりページを繰る手が止まりませんでした。旅の結末は切ないものでしたが、自分自身の想いを冷静に受け止められるようになった少女の姿は素敵でした。劇中何気なく出てくる言葉や出来事が、ラストに意味を成してくる展開も巧いです。2016/12/09
ぱせり
6
いろいろな点で意外な展開でした。大陸横断3000キロ、道連れはおおらかで愛情深い人々と物語。たくさんの忘れられない場面が残る。「人をとやかくいえるのは、その人のモカシンをはいてふたつの月が過ぎたあと」 私もまたこの本を読んでいる間中、主人公サラのモカシンを履いていたのだなあと気がつきました。2009/10/01
杏子
6
「人をとやかくいえるのは、その人のモカシンをはいてふたつの月が過ぎたあと」… この言葉がとっても印象に残りました。アメリカの十代の少女が主人公。だけど、決して浮ついた話じゃなくて、人生を過ごすうえでぜひとも参考にしたいと思えるほど、深い内容のこもった話だった。「空中で魚をつかまえる」とか「悲しみの小鳥が頭上で巣を作る」とか、表現も面白い。 この子のおじいちゃん、おばあちゃんという人物もいい味を出している。アメリカって広いんだなあ、って月並みな感想も持てる。よいめっけものでした。2009/04/18
onion
3
ネイティブ・アメリカンの少女と、親子(家族)の絆の物語。こういう分野だと、アメリカの懐は深いですね。2010/03/25
Nob
2
アメリカの物語★★2013/06/07