講談社選書メチエ
セックス・イン・ザ・シー

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  • サイズ B6判/ページ数 408p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062586597
  • NDC分類 481.72
  • Cコード C0345

出版社内容情報

ロブスターはどんなセックスをしているか? 海の生物たちの性生活を生々しく描き出し、海の大切さに思いを馳せる大ベストセラー!2016年に出版され、大ベストセラーとなった話題の書、ついに邦訳刊行!
海の生物たちがどんなセックス・ライフを送っているのか、知っていますか? サンゴ礁の専門家が書いた本書では、さまざまな海中生物の性生活がドラマチックかつロマンチックに描き出されます。印象的なロブスターについてのくだりから。
「オスの前に立ったメスは、厳かにはさみを持ち上げ、オスの肩にそっと触れ、続いてもう片方の肩に対しても同じ動作を繰り返す。この合図は何らかのメッセージを伝えているように思われる――「今さら私を捨てたりしないでね」と。向かい合ったオスとメスは、互いに大量の「黄金シャワー」を浴びせる。その後、メスは隠れ家の奥に移動し、脱皮に移る。
メスの脱皮には最長で一時間あるいはそれ以上を要するが、メスが最後まで残った殻を脱ぎ捨ててからちょうど三〇分後、本番が始まる。ロブスターの交尾の様子は驚くほどロマンチックだ――ただし、時間は短い。メスの魔法にかかったかつての暴君は、心優しい恋人に変貌する。メスの脱皮が終わるとすぐ、オスは閉じたはさみを海底につけ、覆いかぶさるような姿勢でまだ体のやわらかい相手を守り、時には触角でそっとさすってやる」。
──人間の男女間で繰り広げられるドラマと見紛うばかりです。本書では驚きを誘う海中生物の姿が次々に紹介され、飽きることがありません。
しかし、著者は単に興味本位で本書を書いたわけではないことが徐々に分かってきます。
「私たちが魚を食することができるのは、その魚の餌になる微小な甲殻類が短い周期で繁殖してくれるおかげだ。……――その豊かさの源にあるのが、たくさんのセックスなのだ」。
そして、著者はこう断言するのです。
「海における性の営みが破綻すれば、人間も破綻する。水中で何が起きているのかを知ることが、地上の私たちにとって大切なのはそのためだ」。
興味を惹かれる「セックス」という入口から入って、とりわけ日本人にとっては欠かせない食物を提供してくれる海の大切さを認識すること。そして、海の生物たちを守ることに思いを致すこと。本書は、そんな大きなテーマにいざなってくれる、忘れられない1冊になるでしょう。

はじめに 水に入る前の準備運動
第I幕 楽しいデート
1 捜 索──海中での相手探し
2 恋人をいざなう──ちょっときわどい誘惑術
3 自由な性を謳歌する──海での性転換
第II幕 いよいよ本番
 第一部 挿入するセックス
4 ペニスの章──セックスはコンタクトスポーツだ
5 メスの仕組み──セックスに様々な影響を及ぼす
 第二部 挿入しないセックス
6 海での乱交パーティー──みんなで楽しもう
7 シンクロナイズド・セックス──ご近所さんとご一緒に
第III幕 一戦交えた後で
8 性衝動のギアを入れる──海における性の営みを成功に導く方法
おわりに 海は大きな一つのセックスの舞台だ
謝 辞
原注
参考文献
資料:もう少し深く潜るために


マラー・J・ハート[マラー・J ハート]
著・文・その他

桑田 健[クワタ タケシ]
翻訳

内容説明

食卓でおなじみのイカがどんなセックスをしているか、あなたは知っていますか?この本では、クジラやイルカから、エイ、ロブスターまで、海の生物たちの性生活がドラマチックに、そしてロマンチックに描き出されます。驚きに満ちた営みの数々を知れば知るほど「海の中のセックス」の大切さが理解できることでしょう。私たちの生命の源でもある海の神秘に迫る旅へようこそ!

目次

第1幕 楽しいデート(捜索―海中での相手探し;恋人をいざなう―ちょっときわどい誘惑術;自由な性を謳歌する―海での性転換)
第2幕 いよいよ本番(挿入するセックス;挿入しないセックス)
第3幕 一戦交えた後で(性衝動のギアを入れる―海における性の営みを成功に導く方法)

著者等紹介

ハート,マラー・J.[ハート,マラーJ.] [Hardt,Marah J.]
非営利団体「フューチャー・オブ・フィッシュ」の共同研究部長。サンゴ礁の生態学者としての教育を受け、ブルーオーシャン・インスティチュートの元特別研究員。Scientific American,The American Prospect,Scuba Diver Magazineをはじめとする出版物に寄稿。コロラド州ボルダー在住

桑田健[クワタタケシ]
1965年生まれ。東京外国語大学外国語学部英米語学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やいっち

25
海に生きる生物たちの、まさに驚くべきセックスの多彩なる世界。以下は、本書の話題のほんの一端を羅列しておく: 海では尿が強力な媚薬になりうる。  コウイカは異性の装いで目を欺く。  体が小さいほど精巣が大きいという魚がいる。  仲間(など)からの影響を受けて性転換することは、海では珍しくない。  エビの一種では、オスになるかメスになるかは食べる海藻の量次第。  巻貝はペニスを捨てても再生できる。  アオイガイのオスは取り外しと発射が可能なペニスを持つ。 2018/09/13

16
脱皮するたび精子保存箱ごと外骨格を脱ぎ捨て処女に戻るロブスター。性転換させないため、群れのオスにストレスを死なないよう生きないよう掛ける唯一のメスと全力でストレスを掛け、自分以外のオスの交尾を阻む最高位のオスのカップルなクマノミ。子宮の中で共食いすることまでは知ってたけど、その父親は全部別で、遅れて交尾した結果の異父兄弟全てを食い殺すサメの一種シロワニ。1年以上生きるメスと数ヶ月の命のオスからなるグッピーは死者の精子も保管でき、25%の確率で死者の子を産む。海でも陸でも空でも生き物は全てえげつない。2017/12/03

in medio tutissimus ibis.

3
まず残念な事実を述べねばならない。つまり、この本で私たちが知るセックス――体内受精を扱った章はこの分厚い本の四分の一に過ぎない。その意味でこの本は薄い本だ。それ以外は、生殖をするための移動や遭遇するための苦労、海生生物たちの我々の想像を超えた性の在り方について、受精した後の――つまり海生生物資源が危機に瀕していること。あとは我々には共感しがたい体外受精について。総じてこの本を――それを一応は装っているにもかかわらず――艶っぽく感じるのは難しいだろう。無論いいニュースもあるのだが、つまりこの本は面白いって事2017/11/10

ろびん

2
へんないきものとか思い出しつつ。面白かったです、ラストにちょっと問題提起パートもあるのはいいですね。2017/12/04

takao

1
ふむ2020/03/11

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