講談社選書メチエ<br> ヨハネス・コメニウス―汎知学の光

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講談社選書メチエ
ヨハネス・コメニウス―汎知学の光

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  • サイズ B6判/ページ数 320p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062586498
  • NDC分類 146.1
  • Cコード C0310

出版社内容情報

ヨーロッパの巨人ヨハネス・アモス・コメニウス(1592?1670年)。その生涯をたどり、全主要著作を概観する本格的概説書!本書は、ヨーロッパの知られざる巨人ヨハネス・アモス・コメニウス(1592-1670年)の全貌を明らかにする本格的概説書である。日常生活の中で知らないことに出会ったとき、私たちはインターネットを開いて検索する。その時その場のニーズに合わせて無数にある情報にアクセスできるが、この「参照」という行為を意識することはほとんどない。しかし、歴史を振り返れば、誰もがさまざまな情報を自由に参照できるようになったのは、つい最近のことにすぎないことに気づく。そして、それを可能にした人こそコメニウスだった。
『世界図絵』(1658年)を開けば、150項目に分類された多岐にわたる事象が取り上げられ、それぞれの項目に対応した絵が挿入されているのを目にする。コメニウスは言う。この書で示したのは「世界全体と言語のすべての概要」である、と。それを手軽に学べるようにすることこそ、コメニウスが実現したものである。それゆえ彼は近代教育学の祖とされるが、しかしコメニウスをある学問領域に押し込めては理解できない。
「世界全体と言語のすべて」を把握しようとした背景には、コメニウスがヤン・フス(1370頃-1415年)の系譜に連なる神学者だったという事実がある。自身の内面に向かう宗教を捉えるとき、コメニウスは社会への視点を忘れなかった。そうして内面と社会のあいだで揺れる姿を描き出したのが、小説『地上の迷宮と心の楽園』(1631年)である。「迷宮」としての「地上」の世界で、いかにして「心の楽園」を実現するのか。その問いに導かれて、コメニウスは実際にさまざまな社会の問題に関与していく。ヨーロッパを遍歴しながら数多くの君主との関係が生まれ、政治的活動を行った。こうした多様な活動を支えていたのが哲学である。ルネサンスの諸学問に取り組んだコメニウスは、あらゆる事柄を独自の世界観で再構成した知の体系を構想し、それを「汎知学(パンソフィア)」と呼んだ。それは『人間的事柄の改善についての総合的熟議』という大著に結実する。
このように多様で巨大な存在であるコメニウスを、著者は「光」をキーワードにして読み解いていく。人間は世界から光を受け取り、みずからもまた光を発する存在である。無数の光が飛び交うこの世界の中に「心の楽園」を築き上げること。困難に満ちた世界の中で、この偉人を知ることには絶大な意味がある。

序 章 コメニウスに光を
第一章 地上の迷宮
1 コメニウスの目に映った世界
2 戦争と政治
3 破れた天蓋
4 組み換えられる知
5 富の揺らぎ
6 人間へのまなざし
第二章 パンソフィアにおける人間と世界
1 ルネサンスの黄昏と近代の薄明
2 パンハルモニア(汎調和)の世界
3 可能性としての世界と人間
4 光の形而上学とその方法
5 技術の現れとしての歴史
6 哲学とコメニウスのあいだ
第三章 開かれた心への教育
1 生ける印刷術
2 理念への技術
3 世界と学校
4 光への教育/光としての学び
第四章 言語への開かれた問い
1 問題としての言語
2 言葉と事物の周辺
3 普遍言語の探求
第五章 地上の平和への道
1 総合的熟議
2 三つの国際機関
3 一七世紀ヨーロッパ政治の中で
4 自発性への力
第六章 闇の中に光を
1 神と人間の協働
2 宗教平和への努力
3 希望の源泉
第七章 歴史への贈与
1 啓蒙主義と民族主義の中で
2 「諸国民の教師」コメニウス
3 コメニウスの近代化
4 再考され続けるコメニウス
文献一覧
あとがき
年 譜


相馬 伸一[ソウマ シンイチ]
著・文・その他

内容説明

チェコに生まれ、宗教対立が荒れ狂う17世紀のヨーロッパで苦難の人生を生きたヨハネス・コメニウス。異端判決を受けて処刑されたヤン・フスの系譜を継いだ神学者。チェコ語文学の古典『地上の迷宮と心の楽園』を書いた文学者。『世界図絵』などの教科書を残した教育学者。さまざまな君主と関係をもち、献策した政治活動家。多方向に展開されたその活動の根底にあったのは世界のすべてを把握する「汎知学(パンソフィア)」の構想だった。近代ヨーロッパの源流に立つ知の巨人の全貌を「光」をキーワードにして概観する、初の入門書!

目次

序章 コメニウスに光を
第1章 地上の迷宮
第2章 パンソフィアにおける人間と世界
第3章 開かれた心への教育
第4章 言語への開かれた問い
第5章 地上の平和への道
第6章 闇の中に光を
第7章 歴史への贈与

著者等紹介

相馬伸一[ソウマシンイチ]
1963年、札幌生まれ。筑波大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。博士(教育学)。現在、広島修道大学人文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

袖崎いたる

10
学生の頃に教わったあの「好機」という名の獣(額には毛があるが、頭頂には毛がなく、そのうえ、翼があるために容易に逃げてしまう)の元ネタがようやくわかった。それはコメニウスの『世界図絵』にあるらしい。コメニウスは教育学では避けて通れない人とのことで、更にその故国のチェコの動乱の中であたかもミュシャがそのように覚醒したようにして啓蒙の光を求めたようで、その点でゲーテが思い出されるような意識の高さも見出されたり。彼の光の理論にはある種の恍惚としたものがある。いわく、基体、媒体、客体とで光は成っているのだ、と。2017/06/12

ceskepivo

3
コメニウスという人物は、日本でもっと知られるべきである。ヨーロッパ17世紀の大立者。著作は、宗教、文学、哲学、教育、言語、自然学、政治など多岐にわたる。人生全体を学校と見るとともに、「あらゆる者に、あらゆることを、あらゆる手段を駆使して学ばせよう」とする。「光の思想家」ともいわれる。2024/12/17

sk

3
哲学から政治まで幅広く著作を残したチェコの偉大な思想家の全容。教育思想においてとても参考になる。2018/06/07

鵜殿篤

1
コメニウスは、従来は教授学者としての側面だけが強調されてきましたが、本書は多面的・多角的にコメニウスの思想を捉えることを目指しました。コメニウスは確かに当代一流の教授学者でもありましたが、同時に宗教改革者であり、政治活動家であり、哲学者であり、民族派であると同時に国際派でもありました。多様なコメニウスの姿を貫くキーワードは「光」です。2020/09/06

redhotkick

1
教育学の重要人物として一度読んでみたかったので手に取ったが、教育に絞った内容でなく、より大きい分野まで踏み込んでおり予想と違った。教育史的な背景を理解したうえで再読したい。2017/08/12

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