出版社内容情報
多加水・低温長時間発酵でパンの世界はどう変わったか。イーストの功罪、天然酵母の特徴、粉の選び方などパン作りの最前線を案内!多加水、低温・長時間発酵でパンづくりの常識を変えた、世界的なトップランナーが日本にいます。世田谷の「シニフィアン・シニフィエ」では、フランスやドイツのパン職人の技術をも更新し、世界から顧客が来店しています。また、三ツ星レストランの「narisawa」などにオリジナルのパンを卸しており、一流のシェフから高く評価されています。
本書では、世界と日本のパンの歴史をふりかえり、発酵・成形・焼成の科学的なメカニズムを説明しながら、酵母種の使い分け、小麦粉・ライ麦粉の扱い方、発酵のポイントなども具体的に明かします。パンのカリスマが最前線に案内する、はじめての「パン入門」です。
1章──パンの歴史
2章──日本のパンの可能性
3章──小麦粉を考える
4章──発酵種とは何か
5章──水と塩の役割
6章──パンを作る
まえがき
第1章 パンの歴史
パンとは何か?/米と麦の最大の違い/小麦が主役に/発酵パンの登場/石臼の発明/水車税・風車税/リッチなパンの登場/イーストの登場/焼きたてを食べる文化/「パン屋とは喧嘩するな」/パンの暗黒時代/伝統的なパンの復権/パンに関する法律
第2章 日本のパンの可能性
パリにもこんなエリアはない/日本のアドバンテージ/フランスからイギリスへ/ドイツ人捕虜の活躍/フランスパンの復権/「もう寝てもいいですか?」/福田元吉との出会い/部下が一人もいなくなった/42歳で肚を据える/長時間発酵バゲットの誕生/食事のなかのパン/グランメゾンを作る/具だくさんのフォカッチャ/掃除をしないパン職人/他
第3章 小麦粉を考える
人類が初めて経験するパン/グルテンの役割/なぜ雑穀を入れるか/ミネラル分で分類する/ロング挽きでないと平板になる/タンパクの多寡は何で決まるか/フランス産だからバゲットが生まれた/ライ麦パンは難しい/ドイツパンの種類は多い/なぜスペルト小麦を使うか/スペルト・ルヴァン/性質で使い分ける/なぜか梅干しの酸味に/他
第4章 発酵種とは何か
イースト以前の世界/天然酵母とは何か?/イーストだけで作るパン/ヘゲモニー争いを利用する/イーストでは出せない香り/焼きたてがすべてじゃない/8つの発酵種を組み合わせる/事前に種を作る目的/レーズン種/なぜ液状のまま使うのか/ホップ種/米麹とモルトエキスの違い/パータ・フェルメンテ/ミキシングの前に7時間かかる/他
第5章 水と塩の役割
カンパーニュであってカンパーニュでない/加水をとってフォルムを捨てる/限界を超える怖さ/硬水はどう役立つか/海洋深層水は硬度調整して/塩は発酵を遅らせる/なぜモルトエキスを入れるか/バターを入れる理由/食材屋でいたい/オーガニックの悩み
第6章 パンを作る
ミキサーのおかげ/休み休み生地を引っ張る/2回に分けて水を入れる/パンチの目的/パンチをしないのが基本/こね時間が少ないパンもある/なぜバゲットをこねないか/ナッツが骨格になる/寝かせる厚さがポイント/残されたフロンティア/遊離アミノ酸は3?4倍/なぜ17度になったか/フランスでは成形後の発酵/他
主要参考文献
志賀 勝栄[シガ カツエイ]
著・文・その他
内容説明
小麦粉、酵母、水、塩と火のハーモニーがパンである。焼きたてパンを楽しむ文化はいつ生まれたか。大きく焼くパンと小さく焼くパン、それぞれのメリットとは―。パンの起源、日本での受容史を辿り、パン作りの精妙なプロセスを紹介。自ら実践する多加水、低温・長時間発酵のメソッドを惜しげもなく開示。まったく新しい本格的入門書。
目次
第1章 パンの歴史
第2章 日本のパンの可能性
第3章 小麦粉を考える
第4章 発酵種とは何か
第5章 水と塩の役割
第6章 パンを作る
著者等紹介
志賀勝栄[シガカツエイ]
1955年、新潟県十日町市生まれ。センチュリーベーカリー、アートコーヒー、アルトファゴス、ユーハイムなどを経て、2006年、シニフィアン・シニフィエを開店、オーナーシェフに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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