講談社選書メチエ<br> 江戸幕府と国防

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講談社選書メチエ
江戸幕府と国防

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  • サイズ B6判/ページ数 226p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062585460
  • NDC分類 210.5
  • Cコード C0321

出版社内容情報

禁制切支丹の密入国、傍若無人の密貿易船、そして黒船。天下太平の常識を覆し、常に海外の脅威に晒されていたとして江戸時代を描く。

禁制切支丹の密入国、傍若無人の密貿易船、そして黒船。天下太平の常識を覆し、常に海外の脅威に晒されていたとして江戸時代を描く。

内容説明

禁制キリシタンの密入国、傍若無人の密貿易船、そして黒船―打ち払っても打ち払ってもやってくる外国船。「天下太平」の常識を覆し、幕府開設当初からつねに異国船への対応に悩まされていた江戸時代の実状を、綿密な実地史料を基に活写する。

目次

第1章 異国船来航への備え(家光政権による沿岸警備体制の構築;ポルトガル使節船来航への対応;現実対応から見えた課題)
第2章 異国船問題と幕府外交姿勢の硬直化(将軍代替わりと南蛮船対応方針の祖法化;幕府外交姿勢の硬直化;政治・政策的境界の明確化)
第3章 新たな異国船問題と幕府の論理(通商統制不安定化に対する綱吉政権の模索;正徳新例と沿岸警備体制強化;吉宗政権と「唐船」打ち払い)
第4章 日本を取り巻く環境の変化と幕府対外政策(異国船問題の重点移動;対馬海峡の危機;対馬沖漂流異国船への宗家と家斉政権の対応;レザノフの長崎来航)
第5章 危機意識の高まりと有事対応の変化(蝦夷地の紛争と長崎;御船頭による長崎警備についての献策;長崎奉行の問題意識と幕府の判断;有事対応の変化)

著者等紹介

松尾晋一[マツオシンイチ]
1974年、長崎県生まれ。九州大学大学院比較社会文化研究科博士課程単位取得退学。長崎歴史文化博物館研究員を経て、長崎県立大学国際情報学部准教授。博士(比較社会文化学)。専攻は日本近世史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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パトラッシュ

124
江戸時代を語る際には泰平三百年と枕詞が付くが、実際は外国船の侵入が繰り返された。その度に幕府や長崎奉行、関係大名らは対策に追われたが、明確な対外戦略を持たなかったため常にその場しのぎの弥縫策に終始した。外国との関係を断ったため情報がなく、鎖国令が祖法化されて柔軟な対応ができず、有事対応を予測して海軍を整備する意欲も能力もないのだから。こんな幕府の体たらくを反面教師にした明治政府は外交・軍事両面の強化に奔走したが、逆に巨大化した軍隊が暴走する結果を招いた。こうした過去の失敗を、現代日本外交は学んでいるのか。2025/01/20

ぼのまり

4
「自国は鎖国中である」と宣言すれば鎖国という状態を維持できるわけではなく、南蛮船、唐船、ロシア船などの来航に、繊細かつ臨機応変な対応があってこそ維持できたことがわかる。外交スタンスとして学ぶべきところが多いのではないだろうか?2013/04/16

MUNEKAZ

3
家光から家斉までの江戸幕府の国防政策についての本。「長崎」目線での話が多いので、幕閣の動きや他国の動向が見えずらいのが難点。ただ「鎖国」イメージとは裏腹に、常に他国との緊張関係が存在したことや、幕府もそれに合わせて(効果があるか無いかは別にして)柔軟に対応を変えてきたことが知れたのは良かった。同時期のオスマン帝国や清朝の西欧との向き合い方と比べると、相手の武力を認めて強硬路線を変更できたのは大きいと思う。2017/01/30

たぬき

2
太平の眠り というのも ちょっとした 間違い2014/03/18

kozawa

2
二昔前の中学歴史観レベルでいうと、鎖国→なにもなし→ペリーな所、ペリー以前のロシア等接近も少しは話が出るようになったが、本書は更に、「鎖国」で欧州船来訪がばたっと止まったわけでもなく、南蛮打ち払い等の施策が幕府と藩と等がいつどう動いてどう成り立ってその後もぽつぽつ来航したのはどうなって、ロシアの東進による登場その他ペリー以前につながってあたりまで、といった所をみていく。 2013/03/17

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