講談社選書メチエ<br> アテネ民主政―命をかけた八人の政治家

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講談社選書メチエ
アテネ民主政―命をかけた八人の政治家

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  • サイズ B6判/ページ数 278p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062584654
  • NDC分類 231
  • Cコード C0322

内容説明

「アテネの政治指導者であることの条件を表す言葉を一つだけあげるとしたら、それは『緊張』だろう」(M・I・フィンリー)。数多くの市民が直接政治に携わり、特定の個人に権力が長期間集中するのを極力避ける、という徹底した直接民主政を約一八〇年にわたって安定持続させた古代ギリシア屈指のポリス、アテネ。成功すれば最大限の名誉を与えられ、ひとつ間違えば弾劾裁判で死罪になるという「緊張状態」にさらされながら、政治家であろうとした八人の男たち。その生の軌跡を追うことで見えてくる、古代ギリシア精神の真髄と民主政治の原点とは。

目次

アテネ民主政という世界
名門貴族の時代(僭主の香りする勇士ミルティアデス;一匹狼の策士テミストクレス;貴族のなかの貴族キモン)
弁論術の時代(最後のカリスマ指導者ペリクレス;典型的なデマゴーグクレオン)
英雄不在の時代(民主政復興の英雄トラシュブロス;したたかな名将イフィクラテス)
マケドニアの時代(反マケドニアの闘士デモステネス)
アテネ民主政とは何だったのか

著者等紹介

澤田典子[サワダノリコ]
1967年、富山県生まれ。東京大学文学部卒業、同大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。東京大学助手を経て、静岡大学人文学部准教授。専門は、古代ギリシア・マケドニア史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ふみあき

37
選書メチエって一般向けのレーベルだと思うし、「命をかけた八人の政治家」って副題から、伝記的読み物を想像してたけど、学術書みたいなマニアックな話が延々と続くところがあったり、テミストクレスとペリクレス以外は初耳の方々ばかりだったり、後半は登場人物多すぎで叙述も駆け足だったりで、かなり難渋した。2023/10/13

さすらいの雑魚

34
今の日本は第二次海上同盟あたりになるのかねぇ。とか本書を読みながら祖国の現況に想いを巡らせてしまったのはボクだけだろうか。 古代ギリシャの華たる都市国家アテネの盛衰を民主政の勃興と変質そして没落と共に描いている。完結した国家の通史ってのは今に続く歴史とはまた違う趣きがあって美味しいのです♪怪人アルキビアデスの奇妙な冒険や傭兵将軍イフィクラテスの狂い咲き常勝不敗ロードも取り上げてくれてて美味ささらに倍なのね😋 岩明均の ヒストリエ や塩野七生の ギリシア人の物語 の副読本に使える良作ですよ。2021/07/17

ピオリーヌ

17
教科書レベルでも有名なアテネの古代民主政。前504年のクレイステネスの改革からラミア戦争に敗れる前322年までがその対象と言えるが、本書は人物を通してその時代を探れる本。古代アテネの入門書として最適と感じる。名誉こそ全てである極めて競争的なアテネ政治世界。アテネの政治家たちは、まさに老いを知らぬ名誉心に突き動かされ、不滅の名誉を求め、ありとあらゆる危険を冒すこともいとわず、命がけで戦っていた。2023/10/05

ジュンジュン

14
アテネ民主政180年の歴史を、8人の政治家を通して物語る。直接民主制という「制度」を「人」から見ると何が見えてくるのか?キーワードは「説得」。民衆を納得させるのは家柄か、戦功か、金か、弁論か。そして、彼らを突き動かすのは名誉、ひたすら名誉を追い求める。ワクワクする。列伝でありながら、通史にもなっている。2022/12/17

作楽

10
名誉がすべてと断言するのはどうかと。よく調べてあるし、民主主義の実態も分かりやすいけれど、最初は違っただろうになぁと、少し思った。2016/09/09

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