内容説明
洋装下着を流行らせたのは、ほんとうに勤労女性だったのか?なぜ戦前の男子学生は「したくてもじっと我慢」でいなければならなかったのか?歴史の陰に、性あり。人間の本質を見ずして、ほんとうの歴史は語れないのだ!大本教から球体関節人形まで、「魏志倭人伝」の日本女性論から女装男娼まで、時代も地域も縦横無尽に論じ尽くす、珠玉の論考集。
目次
まえがき 文化のなかに性を読む
1 遊廓の形成と近代日本―「囲い込み」と取締り
2 性教育はなぜ男子学生に禁欲を説いたか―一九一〇‐四〇年代の花柳病言説
3 出口王仁三郎の恋愛観・男女観―『霊界物語』を中心として
4 日本女性は不淫不妬?―中華文人の日本風俗観察小史
5 女装男娼のテクニックとセクシュアリティ
6 「胎内十月」の見世物を追って
7 「人体模倣」における生と死と性
8 兄妹性交の回避と禁止
著者等紹介
井上章一[イノウエショウイチ]
1955年、京都府生まれ。京都大学大学院修士課程修了。現在、国際日本文化研究センター勤務。専門は風俗史、意匠論。1986年度サントリー学芸賞、1999年度芸術選奨文部大臣賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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そーだ
18
うーん…短編集のような感じでレポートが書いてありました 最初から読んだのですが、飽きてしまったので 男娼の部分だけ読みました 「下」は読まないかな…( 'ч' )2018/11/20
へんかんへん
5
セクシーな女性ロボット 空山基 フローレンティン・ヴィーナス2017/03/08
富士さん
3
井上先生目当てで初めて読んだ時は意味を十分理解できず、テーマがぼんやりしていて消化不良感がありましたが、改めて読むと方向性はバラバラでも刺激的な論考が並んでいました。その中でも、井上先生のまえがきと5章から8章は文化史の名にふさわしく、性に関わる欲望が文化や環境によって反応を左右される類のものだというテーマを感じ、それをそれぞれ全く別の切り口から論じて特に刺激的でした。そういう意味では生の欲望をカンヅメにしたような廓は、清く正しく美しくなる社会の反作用によって出来たとも解し得る1章も興味深い論でした。2017/05/20
takao
2
ふむ2024/06/17
BsBs
2
三大欲求のうち、最も大きな影響を与えてきたのは性欲であると考えているが、そこを中心にクローズアップした面白い試み。 オタクカルチャー的には、女装男娼の項と兄妹性交の項が興味深かった。特に女装男娼のヘテロセクシャルな関係性について述べた部分は、男の娘という属性が一般化したオタクにとっては、また違って感じられるのではないだろうか。2016/07/02
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