講談社選書メチエ<br> シオニズムとアラブ―ジャボティンスキーとイスラエル右派 一八八〇~二〇〇五年

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講談社選書メチエ
シオニズムとアラブ―ジャボティンスキーとイスラエル右派 一八八〇~二〇〇五年

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  • サイズ B6判/ページ数 269p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062584180
  • NDC分類 316.88
  • Cコード C0322

出版社内容情報

判型:四六判
頁数:272p
造本・体裁:仮製・薄表紙・カバー

パレスチナ紛争史をユダヤ思想から読み解く

現イスラエル右派の思想的源流、修正主義シオニズム。その創始者ジャボティンスキーの民族論と対アラブ強硬論の系譜から見えてくるパレスチナ問題の核心と本質。

内容説明

「(アラブ人との)合意につながる唯一の道は『鉄の壁を建てる』ことであり、それはイスラエルの地ではいかなる状況下でもアラブ人の圧力に屈しない力がなければならないことを意味する」(一九二三年の論文「鉄の壁」より)。二〇〇二年に着工、今なお未完成のヨルダン川西岸に分離壁。その理論的基盤となる思想を唱えたのが、リクードのイデオロギー、修正主義シオニズムの鼻祖ジャボティンスキーである。紆余曲折を経て先鋭化されていった彼の民族論は、イスラエルの対アラブ強硬論を読み解く重要な鍵となる。民族と国家との関係はどうあるべきか?この紛争に未来はあるのか?混迷の続くパレスチナ問題の核心と本質に迫る意欲作。

目次

第1章 多民族国家における模索(一八八〇~一九一七年)―修正主義シオニズムの濫觴(ロシア帝国におけるジャボティンスキー;オーストリア=ハンガリー帝国の民族問題とジャボティンスキー ほか)
第2章 民族国家と「鉄の壁」(一九一七~一九四〇年)―ジャボティンスキーと修正主義運動の世界観(修正主義運動の誕生;ジャボティンスキーの民族観と国家観 ほか)
第3章 ジャボティンスキーからメナヘム・ベギンへ(一九三〇年代~1981年)―修正主義運動の転換と継承(修正主義運動の分裂とリクードへの道;ブリット・ハビリョニームの「逸脱」 ほか)
第4章 甦る「鉄の壁」(一九八二~二〇〇五年)―ジャボティンスキーの遺産と現代イスラエル政治(レバノン戦争と極右の擡頭;シャミルとレヒの復権 ほか)

著者等紹介

森まり子[モリマリコ]
1970年、東京都生まれ。東京大学教養学部卒業。同大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。オックスフォード大学セント・アントニーズ・カレッジ留学、ハーバード大学中東研究所博士研究員・所属研究員を経て、現在は東京大学非常勤講師。専門は中東近現代史。中東とヨーロッパ、アラブとイスラエルの両方を視野に収める歴史学の開拓を試みている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Toska

9
イスラエル右派の思想潮流を、ルーツである修正主義シオニズムにまでさかのぼって検証した一冊。読後感は暗く重たい。彼らの始祖ジャボティンスキーは、基本的にはリベラルな価値観を持つ一方、ユダヤ国家の確立までは個人や階級の利害よりも民族のそれが優先されると考えていた。「期限付きの全体主義」とでも表現できそうな思想。そして、今も「アラブ人からの攻撃が止まない」という理屈で非常事態が正当化される現状、この思想は破壊的な遺産となっているのではないかと思う。2024/02/04

メルセ・ひすい

1
10. 青37 ★5  ‘94東大・修士論文 修正主義シオニズムの鼻祖ジャボティンスキーの民族論は、イスラエルの対アラブ強硬論を読み解く重要な鍵となる。民族と国家との関係はどうあるべきか? この紛争に未来はあるのか? パレスチナ問題の核心と本質に迫る。2008/10/08

天茶

0
読みかけ168p

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