内容説明
あらゆる宗教の根源存在である「聖なるもの」は、仏教においてどのような姿でイメージされたのか。儀礼をキーワードに、仏・菩薩と人間との関わりかたの具体的なプロセスを通じて、いよいよ仏の本質へと迫る。
目次
第1章 仏のすがた
第2章 仏への行為
第3章 ヴェーダ祭式ホーマ
第4章 ブッダの涅槃
第5章 仏塔の意味
第6章 プージャー―宗教行為の基本型
第7章 ジャータカ物語と仏の三身
第8章 大乗の仏たち―阿弥陀と大日
第9章 護摩―儀礼の内化
第10章 浄土とマンダラ
著者等紹介
立川武蔵[タチカワムサシ]
1942年、名古屋生まれ。名古屋大学文学部博士課程中退、ハーバード大学大学院にてPh.D取得。現在、国立民族学博物館名誉教授、愛知学院大学文学部教授。専門は仏教学、インド学。『中論の思想』(法蔵館、中日文化賞)、『女神たちのインド』(せりか書房アジア・太平洋賞)など多数の著書がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sk
4
仏教において仏というものがどのように扱われてきたかについて書いた本。仏陀自身は自らを人格神や偶像とはしなかったが、後世において仏は様々な意味合いを持たされることになる。2017/04/14
牛タン
2
5巻シリーズの第3巻。宗教実践の第二の要素である目的について。仏教においてそれは悟りを獲得すること≒仏になることであり、本書では「仏とは何か」に答えるため、仏教の歴史を紐解いていく。生前の仏陀は死後の考察にそれほど重きを置かなかった。ただし四聖諦(苦集滅道)の思想の中で、死によって行為と煩悩を滅することができ解脱に至るという考えが生まれる。仏陀の死後、徐々に仏塔、仏像がつくられるようになると共に、聖なる死を遂げ涅槃に達した仏陀が、人格神として崇拝の対象となっていく(バクティ信仰)。2018/08/28
ところてん
0
タイトルの通り、仏の捉え方について述べられています。インドにおける宗教的行為やシンボルから、人々がどのように仏を見ていたかが考察されます。2016/09/02
thuzsta
0
世界の内と外へ向かう儀礼と仏2010/12/10
hachiro86
0
仏といっても一言では言えない、という本2009/11/15
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