講談社選書メチエ<br> ロシアの源流―中心なき森と草原から第三のローマへ

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講談社選書メチエ
ロシアの源流―中心なき森と草原から第三のローマへ

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  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062582742
  • NDC分類 238.04
  • Cコード C0322

内容説明

東から西から、ルーシの地に歴史の圧力がかかる。モンゴル、十字軍、異教リトアニア、そしてビザンツの正教会。中世期、激動するユーラシアでルーシがロシアへと固まってゆくドラマを追う。

目次

序章 宗教国家としてのロシア
第1章 「ロシア」と「ルーシ」
第2章 トヴェーリ公ミハイルの野望
第3章 モスクワ公イワン・カリターの秘策
第4章 最後の異教国家リトアニア
第5章 府主教座簒奪戦争
中世共和政都市の栄光と苦悩
第7章 モスクワは第三のローマである

著者等紹介

三浦清美[ミウラキヨハル]
1965年生まれ。東京大学文学部ロシア語ロシア文学科卒業。同大学院人文科学研究科博士課程(ロシア文学専攻)修了。博士(文学)。1992年‐1993年までサンクト・ペテルブルグ国立大学研究生。現在、電気通信大学人間コミュニケーション学科助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

74
ニュースで見ない日のないロシアであるが、前身である「ルーシー」が如何にして「ロシア」になったのかを語った一冊。「タタールのくびき」からモスクワによる統一までがその範囲となっている。人名地名に馴染みが無く読むのに苦労するが、通史としては極めて面白い。何よりロシアがその成立前夜からギリシア正教と不離の関係にある事がよくわかる。一時期ニュースを騒がせたキリル総主教のプーチン支持、今までは時代錯誤としか思えなかったけど、これを読んだ上だと納得は出来ないけど理解は出来る気がする。ロシアを考える上で読むべき一冊。2022/06/28

kuroma831

12
東スラヴ人の政治的共同体であった「ルーシ」が「ロシア」という政治的共同体に変容するプロセスを眺める。スコープは11世紀〜15世紀ほどの期間であり、モンゴルの侵寇によってキエフ・ルーシが崩壊し、タタールの軛のもとでルーシ諸公国が鎬を削り、モスクワ大公国による「ロシア」の統一を果たすまで。意外と面白かったのは、ルーシにおけるギリシャ正教受容史とも言える点。2024/03/21

みなみ

9
小説「熊と小夜啼鳥」の舞台がルーシだったので……KindleUnlimitedに入ってたけどこういう教養書を電子書籍で読むのは苦手だったんで紙の本を図書館で借りて来て読んだ。世界史の中ではマイナーな地域なのでなかなか取っ付きにくかったが、興味深かった。ペストの伝播経路がどこだったのかなんて話も出てくる。世界史で履修した知識の合間を埋めてくれるような。それにしてもリトアリアはかつてはこんな存在感を持っていたのか。リトアリアの犠牲の供物の中に「騎士(生きている人間)」があるのがこわい。2024/05/26

富士さん

3
再読。特に派手なわけではないですが、とても好きな本です。ロシアの核となったモスクワを中心にしたルーシ諸侯たち、ハンザに連なり異彩を放つノブコロド共和国、圧倒的な軍事力と圧倒的な文化力で影響力を振るう宗主国のキプチャク・モンゴルとビザンツ・ギリシャ。単色のイメージが拭えないロシアの地にこれだけ彩り豊かな世界が入り乱れていたというだけで興味がつきません。しかも著者の語り口が魅力的で、自身のロシア史観を語りながら、他の地域との比較を織り交ぜながら、資料を単に並べただけではない味わいがあるのが魅力的です。2016/03/04

総代

3
ロシア国家の成り立ちについての解説。草原の騎馬民族からの流れと第三のローマの後継国家として。皇帝権確立の以前のモスクワ大公国や大リトアニアとの関係性とモスクワ公の覇権争いが章だてでまとめられており、中世の四方八方から圧力をかけてきた教会を含む勢力との関係もわかりやすくまとめてくれている。ルーシというふんわりとしたまとまりがロシアとして固まっていく過程を、やや興奮ぎみな筆致で書いている。2012/06/01

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