内容説明
「此れから先の事はとても駄目じゃ」。英国の富に衝撃を受け、欧米流国際政治の現実に直面した大久保利通。彼は、日本近代の針路をどこに定めたのか。ドイツか、それともイギリスか―。明治政府最高の政事家が体を張って描いた国家構想を捉え直す。
目次
第1章 国政参加をめざして
第2章 王政復古クーデター
第3章 廃藩置県の断行
第4章 欧米視察の衝撃
第5章 征韓論政変
第6章 大久保政権の始動
第7章 志半ばの死
著者等紹介
勝田政治[カツタマサハル]
1952年新潟県生まれ。早稲田大学卒業後、同大学大学院博士課程修了。現在、国士舘大学教授。専攻は日本近代史
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感想・レビュー
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くすりん
4
大久保利通がどの様に政を考えて、維新に臨んだのかよく分かった。徳川慶喜の策謀にやられっぱなしだったが、結局は維新をやり遂げた。すごい人だわ。この人も大概の策謀家だが、何のための維新かと言う、土台というかビジョンが揺るがないのでそこがすごい。維新までの活躍にあまりフォーカスされない様に思うが、維新のデザインしたのは、間違いなくこの人だと本書を通じて思うに至った。2021/03/02
バルジ
0
大久保の民力養成論とそれに基づく内務省の設置についての過程は初めて知った。 「政治家」に翻弄されながらも、自身の政策構想を実現するために尽力する「政事家」の姿がくっきりと目の前に浮かんでくるような読後感を得られる。2017/08/20