内容説明
呪法、占法、暦法、そして世界を貫く「気」の体系―。一四〇〇年にわたって日本を支配し続けた思想「陰陽道」。その起源・理論から「陰陽師」の活躍の真相まで解き明かす。
目次
第1章 平安貴族の日常と陰陽道
第2章 「陰陽寮」と「陰陽道」
第3章 「陰陽」の理論と世界観
第4章 暦と世界の変化
第5章 陰陽道の占い
第6章 呪術者としての陰陽師
著者等紹介
鈴木一馨[スズキイッケイ]
1966年神奈川県生まれ。駒沢大学文学部卒業。同大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学(日本史学専攻)。現在、財団法人東方研究会研究員。専攻は日本文化論・日本宗教文化史
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感想・レビュー
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ゲオルギオ・ハーン
26
陰陽道について解説した一冊。漫画やアニメ、小説の題材や設定として使われるが、どこらへんまで正しい内容なのかよく分からなかったのでとても勉強になった。そもそも「陰陽五行説」という言い方すら間違いであり、「陰陽」と「五行説」はそれぞれ別の考え方だ。そして、陰陽道では天というものが絶対の存在、神仏ですら天の一部に過ぎないという理屈がある。ゆえに天の気を洞察する部署が必要であり、それが陰陽寮として整備され、暦や天文を制定する機能もつくようになった。本書では陰陽寮の組織や機能も解説しており、その点も興味深い。2022/03/31
可兒
1
科学技術、暦学、方位など実用むきの陰陽道についての話。メチエでこういう資料が読めるのは本当にありがたい2014/12/24
orihuzakawagon
0
史料に残っている陰陽道について優しく説明されており、歴史的な陰陽道についての入門書として楽しく読み進めることができました。2015/12/05
そーだ
0
借り物。2011/01/11
かずら
0
資料。平安時代の学問、陰陽道について。すでに知っていることが多かったので流し読み。暦や方角、占いの話が多いので、呪術的な世界を見たい人には向かないかもしれません。フィクションの世界の陰陽道と実際の資料に残る陰陽道との違いは楽しく読みました。事実を述べてしまうと夢がないと言われてしまいがちなのはわかります。「見えない」式神のあり方もわけがわからなくて楽しいです。2014/02/09