内容説明
性が生物学から心理学へ移行したとき、エディプス・コンプレックスは生まれた―。「父を殺し、母と交わりたい」という内的幻想は人類普遍なのか?「厳父」フロイトとその「子ども」たちの性をめぐる精神分析の大論争を追う。
目次
第1章 身体の穴―性生物学から性心理学へ
第2章 最初の離反者―アドラーの心理学
第3章 ユングの「父殺し」
第4章 息子たちの苦悩―母への思い
第5章 オイディプスの娘
第6章 女性の性愛をめぐって
第7章 アンナとクラインの大論争
第8章 辺境にて―文化人類学と構造主義の挑戦
著者等紹介
妙木浩之[ミョウキヒロユキ]
1987年上智大学大学院博士課程満期退学。北山研究所、佐賀医科大学などを経て、現在久留米大学文学部助教授。専攻は精神分析学
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感想・レビュー
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Jamie
4
以前抱いていた去勢願望が去勢恐怖によるものだったのだと、本書を読んでいてふと思った。 色々と思い当たる節があり興味深かった。2015/03/19
まさぽん
1
父親嫌いの女性の心理を知りたいと思い、この本を手に取ってみたが、内容が難しくてさっぱり実感がわかなかった。同性の親を殺して異性の親を手に入れたい、という欲望を人間は誰もが持っているというあたりからしてよく分からない。。「毒親」のような概念のほうがしっくり来るので、研究するならそっちかな。うーんでも、なんかの役には立ったのだろうか。2022/10/11
あま
1
フロイトをめぐる人たちの歴史について。2013/12/03
まっち
1
かなり専門的な内容なので、半分も理解することができなかったが、精神分析家たちの論争の歴史や三角関係のエピソードは非常に面白かった。また、ホルナイが「子宮羨望」という考えを述べていることが印象にのこった。2013/11/26
nvwr
0
父親殺し、三角関係、娘との関係など、こんなの読んでいいのかと思わされるフロイトの濃い話がいくつも書かれていておもしろい。自分の中で両親はどう位置づけられるのか分析してみたい。2023/03/07