内容説明
内戦を勝ち抜いたアンリ四世。実母と抗争するルイ十三世。「太陽王」ルイ十四世。愛人たちに溺れたルイ十五世。そして断頭台の露と消えたルイ十六世。強き王と華麗なる人間模様が織りなすフランス絶対王政の栄華と自壊を活写する。
目次
第1章 アンリ四世―改宗と内戦の王朝
第2章 ルイ十三世―聖性と側近たちの王朝
第3章 ルイ十四世―戦争と絶対性の王朝
第4章 ルイ十五世―繁栄と愛人たちの王朝
第5章 ルイ十六世―落日と革命の王朝
著者等紹介
長谷川輝夫[ハセガワテルオ]
1941年千葉県生まれ。一橋大学社会学部卒業後、パリ第四(ソルボンヌ)大学博士課程修了。現在、上智大学文学部史学科教授。専攻はフランス史
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感想・レビュー
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みなみ
11
ブルボン王朝の成り行きをたどる。アンリ4世から始まり、フランス革命で処刑されたルイ16世で終わる。タイトルが「聖なる王権 ブルボン家」だが、宗教をめぐり争ったり、幼くてして国王となった息子と母の王太后が権力争いをするさまは、タイトルに反して地獄のような世界だ。3人のアンリが登場するアンリ4世の項ではアンリが全員暗殺される。リシュリュー・マザランなど政治的手腕に長けた人物が現れると安心する。泥沼の宗教戦争からフランス王の権力が強まったり、ルイ14世時代に重商主義が生み出された理由など歴史の流れが掴める良書。2024/06/02
viola
4
何だったか忘れたけど、何かの書評で読んで気になった本。ひたすら淡々と進んでいく歴史読み物。特に人気のあるブルボン家。アンリ四世からルイ十六世まで。やっぱりイギリス史のほうが面白く感じるのだけれど、落ち着いたらフランス史も専門書読み漁って学びたいですね。アンリ四世よりも王妃マルゴや(そして義母カトリーヌ・ド・メディシスや)ルイ十六世よりもマリー・アントワネットのほうが目立っている印象があります。なぜだ。そして個人的にはルイ十五世よりポンパドゥール夫人やデュ・バリー夫人の方が・・・。2013/01/24
天茶
2
★★★ ブルボン王朝についてはほとんどなんの知識もなかったが、なんとかついていけた。幼帝の即位が続き有名な宰相リシュリューはじめ、宰相や後見人たる母后の存在が正の面でも負の面でもいかに大きかったことか。それは成人した王がいかに一人立ちするかという課題につながる。あくまで王朝側に立っての叙述なので、フランス革命の勃発がかなり唐突に見えてしまうのもやむなしか。2020/11/12
栗山いなり
2
ブルボン家の歴史を一種の物語のような形で解説した本。本当にルイ14世の頃が最盛期だったんだなと思ったのと歴史の教科書とかで得られるイメージとは違うブルボン家の王達の姿を見られたのは面白かった2020/04/01
Primavera
1
なぜかバラバラに記憶してしまっていたフランスの専制君主達が、この本のお陰で繋がった気がする。ヴァロア王朝の終わり、ブルボン王朝の始まりから「三銃士」の舞台へ、それから「太陽王」の時代、印象が薄かったルイ15世も「ベルバラ」の世界以前が理解できた。そしてフランス革命へ。ルイ16世の処刑で、すっぱりと終わっている点も、あくまで「王」を追及する一貫性があって好感が持てた。2012/05/13
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