講談社選書メチエ<br> 日本語に主語はいらない―百年の誤謬を正す

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講談社選書メチエ
日本語に主語はいらない―百年の誤謬を正す

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  • サイズ B6判/ページ数 256p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062582308
  • NDC分類 815
  • Cコード C0381

内容説明

「愛らしい」「赤ん坊だ」「泣いた」―日本語の基本文はこの3種で必要十分である。英文法の安易な移植により生まれた日本語文法の「主語」信仰を完璧に論破する、すべての日本語話者、必携の書。

目次

序章 モントリオールの日本語教室から
第1章 日本語に人称代名詞という品詞はいらない
第2章 日本語に主語という概念はいらない
第3章 助詞「は」をめぐる誤解
第4章 生成文法からみた主語論
第5章 日本語の自動詞/他動詞をめぐる誤解
終章 モントリオールから訴える

著者等紹介

金谷武洋[カナヤタケヒロ]
1951年北海道生まれ。東京大学教養学部卒業。ラヴァル大学で修士号(言語学)、モントリオール大学で博士号(言語学)取得。専門は類型論、日本語教育。カナダ放送協会国際局などを経て、現在、モントリオール大学東アジア研究所日本語科科長
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

takaC

56
日本語の基本文はわずか3通り。名詞文(例:赤ん坊だ)、形容詞文(例:愛らしい)、動詞文(例:泣いた)の3つ。これら三基本文の盆栽ツリー型。2016/12/04

原玉幸子

24
著者の主張を読むと、単純な奴ですいませんが、「おおぅ(そうだったのか)」と驚嘆します。学校で習った通りに、日本語文法を理解(しようと)している人間には、「元々日本語に主語は無い」ことこそが実態と分かれば、正しく「目から鱗」。著者が喩えた「コペルニクス的転換」が大袈裟でないことを実感します。その前提の上で、能動態・受動態の変化と二重母音変化としての下一段活用……と続いていくのは、痛快ですらあります。個の強い著者の文体がどうかという人もいるでしょうが、日本語の好きな方にお薦めの一冊です。(◎2024年・冬)2025/01/18

tom

21
読友さんのコメントを読んで、図書館に注文。リタイアするまでは、毎日毎日、大量のレポートを書き続けていた。そのとき、しばしば困惑していたのが、主語と述語。主語をきちんと書こうとすると、文章がくどくなって、妙に読みにくくなってしまう。でも、主語がないと、誤読されることが生じる危険性がある。その兼ね合いが難しい。日本語というのは、面倒なものよと思っていた。その不思議さの理由が、この本を読んで解明できたかも。もともと、日本語には、主語がなかったのだ。そうでしたかと、目からうろこ。良い本を教えてもらいました。感謝。2019/10/14

わたなべよしお

15
 「日本語と西欧語」から、金谷さんの本を少し読んでみることにしました。やっぱり、日本語の文法から「主語」はなくした方がいいですね。「主語廃止論」は元々は三上章さんからですが、どうして広がらないのですかね。「象は鼻が長い」「僕はうなぎだ」。とても面白い。2019/09/26

Foufou

14
敵は明治にあり。かくて三上章の遺影を掲げて筆者は敢然と国文法の百年牙城に攻め入る。戦略は二つ。三上没後の主語擁護論に対する再反論、そして日本語における自動詞と他動詞の独自文法の構築。「は」はなぜ格助詞でないのか。自動詞なのに目的語を取る場合(英語を教わる、鞄を預かるなど)があるのはなぜか。学校で学んだ国文法に釈然としなかった少年の日々が蘇る。英語文法に無理やり押し込められた哀れ日本語よ。この本を読めば多少なりとも我々の日本語は変わるだろう。それはとりもなおさず、日本人としての生き直しにほかならない。2021/07/01

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