内容説明
白昼、美しき恐怖の儀式が執り行われる。悠久の時空を超えて今生きる高貴な牡牛に、対峙する光の衣装の闘牛士…。牛の恐れを勇猛さに、闘牛士の恐れを勇気に変えることが、感動を湧きおこす。民衆が磨き上げ、あらゆる芸術の源泉となった太陽と死の祝祭の魅力を語りつくす。
目次
第1章 闘牛への誘い
第2章 美しきものの誕生
第3章 聖壇と王座と民衆と
第4章 ゴヤの世界から世紀末へ
第5章 栄光と憂愁のマタドール
第6章 巨匠の眼
第7章 金と絹と太陽
第8章 闘牛・不可思議なるもの
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゲオルギオ・ハーン
23
闘牛の産業面ではなく、芸術面。文学や映画などで語られる魅力を解説した一冊。闘牛のルールやどういう産業なのか、というところを知りたかったので問題意識とはズレた読書となった。本書では産業面や競技面の魅力はほんの少しだけ述べ、歴史として語られる大闘牛士たちの武勇伝や彼らの活躍を描いた画家や作家たちの表現を借りながら解説している。大闘牛士たちの悲劇的な最期よりも差別化するためによりハイリスクなパフォーマンスを開発したベルモンテの工夫の方に興味を持った。競技面、産業面から切り込んだ本を読んでみたい。2024/06/17
ようはん
16
唐突に闘牛の事が知りたくなって図書館から借りた本。闘牛の流れや闘牛に使われる牛の育成についてはもとより、闘牛の歴史に関しては地中海の牛文化や神話から始まり、現代に至るまでの名闘牛士や闘牛を題材とした文化とかなり濃い内容であった。 2022/06/16