内容説明
キリスト教と原始宗教、文明と野蛮、聖なるものとエロス的なもの…。自己の根源を探求し、両極を激しく揺れるゴーギャン。楽園を目指して行動する画家が、ケルトの故地ブルターニュと熱帯の島タヒチに見たものはなにか。北欧の妻メットと南海の“イヴ”テハマナに求めたものはなにか。「芸術の殉教者」の破天荒な生涯と心の叫びを、画家自身に語らせながら鮮やかに描き切る。
目次
第1章 楽園原景
第2章 北の楽園ブルターニュ
第3章 南の楽園タヒチ
第4章 内なる楽園
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翔亀
38
【タヒチ2】フランス文学者による手堅い伝記。ゴーギャンの海員時代と株式取引所時代(出世コースだったようだ)、家族と職業を捨てて画家になりタヒチで没する(正確にはマルキーズ諸島のヒヴァ・オア島)までの生涯を丁寧に追いかけている。本書は、<楽園>追及の人生とする。画家としての<北の楽園>ブルターニュ、<南の楽園>タヒチ。画家以前の家庭も一時は<楽園>だったし、タヒチの楽園も結局は幻想だったと気付くが最後は<内なる楽園>に到達する。ゴーギャンの言葉を引き「心ならずも私の中にある野性」がそうさせた、と。↓2021/03/14
pico
2
ボストン美術館、ゴーギャン展でいまひとつピンとこなかったので、補完するつもりが益々泥沼に。ゴーギャンがみえない。2009/06/18