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内容説明
タイムマシンを実現させて過去をよみがえらせ、永久機関を動かして、世間をアッといわせてみせる。人類が滅び、宇宙に終焉が訪れるとすれば、マックスウェルの悪魔こそ、救世主か?この不可思議な悪魔に目をつけながら、時間の向きを決めているという「エントロピー」を、他に類を見ない面白さとわかりやすさで解説する。
目次
1 永久機関のはなし
2 エルゴード仮説より
3 確率から物理法則へ
4 秩序崩壊
5 なぜ空気はつもらないか
6 でたらめの世界
7 救世主としての悪魔
著者等紹介
都筑卓司[ツズキタクジ]
1928年浜松市生まれ。海軍兵学校、旧制一高から東京文理科大学物理学科へとすすみ、同大学院では統計力学を専攻。物理学の全分野にわたって幅広い知識をもつ。横浜市立大学で教鞭をとり、同大学名誉教授。2002年7月惜しくも逝去された
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひろき@巨人の肩
43
すごい。学生時代に挫折した熱力学第二法則を具体的なイメージで捉えることができた。エントロピーは分子状態の確率論で記述され、更にエネルギーの質を定義する。太陽から降り注ぐエネルギーと反エントロピーが地球上の生物の進化を促したという説は興味深い。人間は物質的エントロピーを制御できる存在となったが、その代償に社会的エントロピーを増大させた。それが人類を終焉に導くという45年前の予言には恐怖を感じる。第二法則は我々の宇宙での経験則であり、更に紐解いていくと「時間」の理解に繋がるという話は科学的好奇心を刺激される。2015/08/21
トムトム
37
すでに理解しているところは分かったのですが、分からないところはやっぱり難しかったです。自分が学生でこれを理解しなければいけなかったら、ツラいと思います。趣味で読むぐらいなら楽しい♪2020/08/27
茉莉花
32
「初めて読まれる方にも十分楽しんで頂けると思う」と記載がありましたが全く数学や物理学の知識がない人(私のようなおバカ)が読むとチンプンカンプンで何がなんだか分かりませんでした。面白い例え話も多少あったのですが、数式や専門的な話になると付いて行けなくなりました笑 そして体調も悪くなってしまいました笑 残念です。2015/10/25
たー
25
あまり良く分かっていなかったエントロピーの概念が理解できた気がする。色んな喩え話が古臭いのはご愛嬌。2013/08/12
山口透析鉄
23
高校の図書室(蔵書数は国内の高校では最多で5万冊超ありました)にブルーバックスも多々ありましたので、都築氏の本もかなり借りました。他の著者もいましたが、もう一つのものが大半でした。 熱力学についての本で、やはりこのまたは文章が上手でした。文学青年だったというのも納得ですが、入門書止まりのブルーバックスも多くて、この本とかもそんな感じではありました。 マクスウェルの悪魔は後年、ナノマシンで実験し、エントロピーの増大により成立しないのがハッキリしていた筈です。