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内容説明
電磁気力や核力といった自然界のあらゆる力、そして、それらが引き起こす現象は、ゲージ場という共通の言葉で語ることができる。だが、そのような「場」は実在のものなのか、思考の上だけのものなのかという問題は、つい最近まで解決されなかった。このゲージ場を、電子の波を使って写真に撮り、目で見ることにより直感的に理解する。これが、本書の狙いである。
目次
第1章 電子線ホログラフィー
第2章 干渉する電子
第3章 干渉性のよい電子線
第4章 粒子性と波動性
第5章 電子波で見る磁力線
第6章 ゲージ場を見る
第7章 超伝導を見る
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takao
2
朝永 量子力学的世界像 並木 量子力学入門 江沢 現代物理学 中嶋 量子の世界 長岡 超低温の世界 大塚 超伝導の世界 2024/06/20
ピリカ・ラザンギ
1
前半は電子顕微鏡とその開発の話、後半は超伝導体と場について。ゲージ場を見るとは、つまり電磁場を伝えるベクトル・ポテンシャルを見るということ。数式があまり入っておらず、電子の波の干渉については、波動関数に虚数の項が出る以外は光と同じなので意外に分かりやすい。AB効果で磁場に干渉が起こるのを了解すれば、ドーナツ型の超伝導体の中で磁束が量子化されて現れるのもなんとなくわかる。原始宇宙では光も常伝導だったことや、自発的対象性の破れによって超伝導体の中では光は有限の質量を持つと考えられるといったところが面白かった。2012/02/29
ハム太郎
0
4次元多様体の微分構造を扱うゲージ理論と同じ名を冠す『ゲージ場』に惹かれて門外漢ながら無理して読了。ざっくり言えば、量子力学の現象を実験で捉えるという内容。物理の用語がわからないので、扱っている現象の説明などはさっぱりだったが、実験でその現象を実際に捉えるという職人芸はわからないながらも白熱した空気が伝わった。2013/03/26
電
0
企業でこれだけ基礎研究ができたのがすごい。「見る」とタイトルにあるように実験結果の写真が多く載っているのがいい。2009/09/06
椪
0
普通には観測できない現象を読み取るためには何が(どんな現象)利用できるのかとそれをどう実現するかを考える上で今までの知識との結びつけ方や視点の柔軟さが実験家としてのセンスが問われ所なのかなあと思った2019/02/25