内容説明
金の成るところには必ず人が群れる。政治家しかり、官僚しかり、財界人しかり、そして暴力団しかり。バブル崩壊後、表舞台から消えたかに見えた裏社会の大物たちが、またぞろ息を吹き返している。欲望という名の腐肉の中から生き返るゾンビのように―。「政・官・財・暴」の悪のカルテット(四重奏)はどのように形成され、それが結果的にどのような腐敗をもたらしているか。表社会と裏社会の癒着の構造に迫った書き下ろしノンフィクション。
目次
第1章 ヤミ金の帝王
第2章 K‐1事件に闇の紳士登場―許永中人脈は死なず
第3章 ゼネコン、腐食の構造
第4章 黒い銀行
第5章 金融無法地帯、和歌山
第6章 あおぞら銀行、本間忠世はなぜ死んだか
第7章 博打場と化した株式市場―米国不正会計事件の闇
著者等紹介
有森隆[アリモリタカシ]
経済ジャーナリスト。1945年生まれ。1969年、早稲田大学文学部卒業。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobody
6
著書を何冊も読んでいくと、段々書き手のクセが摑めてくる。有森にバレてない悪事をズバッと暴く快刀乱麻は望めない。名誉棄損賠償金の高騰化でライターは割に合わない。有森の文体は淡々並記型。明快に書くと名誉棄損を招きもするので仄めかし・婉曲型となる。判る人には判るのだろう。だが金融・株式の専門事項でしかもその網の目を潜って裏をかくようなやり口のカラクリは無理である。淡々併記型は1つの謎を追って進む文脈求心力に決定的に欠けるので何よりも読書の醍醐味が失せ、山頂登頂型ではなく尾根縦走型の読み進みとなり印象平板と化す。2022/03/09
より
1
★★★★2018/04/19