講談社+α文庫
大学病院が患者を死なせるとき―私が慶応大学医学部をやめない理由

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  • サイズ 文庫判/ページ数 396p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062567787
  • NDC分類 494.5
  • Cコード C0147

内容説明

「治癒率は同じなのに乳房を切り取るのは外科医の犯罪行為」「がん検診は百害あって一利なし」「切って治ったと思っているのは、がんではなく『がんもどき』」…。日本の医療常識に真っ向から対立する論文を次々と発表し、医学界を驚愕させてきた一人の医師。開業医の子として生まれたエリート医師が、いかにして革命・真実の道を歩み始めたのか。大学病院を舞台に、たった一人で医学界の常識や権力構造と戦いつづける医師の、壮絶なる闘争物語。

目次

第1章 がん病棟の患者たち
第2章 運命の分岐点
第3章 タブーと嘘に満ちた放射線科病棟
第4章 忘れえぬ患者
第5章 転機としての米国留学
第6章 患者の生死を分けるもの
第7章 医者が患者を死なせたとき
第8章 病棟改革への意欲
第9章 面従腹背の病棟医長時代
第10章 余命いくばくもない、という現実を前に
第11章 慶応外科との院内戦争

著者等紹介

近藤誠[コンドウマコト]
1948年、東京都に生まれる。医学博士。慶応義塾大学医学部放射線科講師。慶応義塾大学医学部卒業後、アメリカに留学。帰国後は、がん一般の治療を専門とする。乳がん治療では早くから乳房温存療法を実践し、患者数、温存率ともに日本で最高の実績を持つ。近年は、医療事故が相次ぐ日本の医療界の変革と、患者本位の医療を実現するため、一般医療についての情報公開と告発に力を注いでいる。「患者の権利法をつくる会」および「医療事故調査会」世話人
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

すしな

46
131-23.がんの治療というと外科手術か抗がん剤かというイメージですが、こちらは放射線治療の先生が書かれた本です。昔の本なので今はどうかわかりませんが、日本のお医者さんは伝統的に切って取る治療をしたがる傾向があり、実際治る人も多いとは思いますが、癌が消えても、後遺症が残りその後の人生のクオリティがかなり下がった人の事例が書かれてありました。究極の選択として、不自由して長生きするか、今まで通りで簡潔に終えるかになりますが、患者さん本人が決断できるかどうかにかかっているのかなと思いました。2023/12/26

マッピー

16
30年以上前のこととはいえ、がんに対する医療行為の無惨に、読んでいて苦しくなってしまう。癌を切除する手術によって、体力が低下し、免疫力が低下し、傷口から入った細菌により感染症になったり、傷口が壊死したり。実は手術なんてしないほうが生存率が高くなる、と。現在はまた医療技術の向上や、有効な抗がん剤などで、必ずしも開腹手術に頼らない治療になっているけれど、もしかすると私が知らないだけで、今でも不当な治療で苦しんでいる人がいるかもしれないと思ったら、ちょっと耐えられない。癌は切除すれば終わりというわけではない。2024/02/08

うたまる

0
「がんで死ぬのは自然だが、治療で死ぬのは不条理そのものではないか」……日本の外科医に異を唱え、わが道を行く放射線科医師の半生記。医学界重鎮との闘いは、謂わばリアル『白い巨塔』。一方的主張や誇張の嫌いもあるかもしれないが、著者の問題意識は真っ当で先駆的に思える。特に1970年代のがん治療とその副作用は治療というより”実験”にしか見えず、患者視点が全く無い。「治療法の優劣が無い場合、無理に切らなくてもいいのでは」という問いかけに「若いドクターのトレーニングのためにも、手術することが必要」には反吐が出る。2013/05/22

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