内容説明
敗戦の決定的ダメージを乗り越え、ジェットエンジン開発再開に向けた急旋回が始まった。国産ジェットエンジン開発に果敢なる挑戦を続ける技術者たちが、いかにして日本を国際舞台へと持ち上げていったのか!1988年、エアバスA320が飛んだ日、そこに搭載された新型ジェットエンジンV2500は、ジェットエンジンに取り憑かれた男たちの技術と威信を乗せていた。
目次
第4章 航空解禁とNJE(国産第一号への果敢なる挑戦;急転する状況とNJEの創立;NJE苦闘の六年九ヵ月)
第5章 戦後初の国産ジェットエンジン(戦後十五年目の初飛行;技術提携と日本初のジェット工場;ライセンス生産の時代へ ほか)
第6章 V2500への道(欧米依存と世界二大企業の危機;イギリスからの誘い;V2500へ ほか)
著者等紹介
前間孝則[マエマタカノリ]
1946年、佐賀県に生まれる。法政大学を中退。石川島播磨重工の航空宇宙事業本部技術開発事業部でジェットエンジンの設計に20年間従事する。1988年に同社を退社(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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モリータ
11
◆下巻は戦後の空白期と航空再開後の石川島(播磨重工)におけるジェットエンジン開発の苦闘が語られる。時系列が行きつ戻りつするのと、戦後の軍用・民用機の知識が薄いのでちょっと頭に入りづらい部分もあったが、何よりもまず「ジェットエンジン」が時代の機械工学の粋を集めた特別な部類の製品であり、大企業でもおいそれと開発できない、まして商業化することが至難なものであることはわかった。◆ジェットエンジンのしくみにも興味が湧いてくるので類書で補いたい。2021/02/12
かっくうほう
1
戦後のジェットエンジン開発から、共同開発のV2500まで。上下巻を読んで、日本がいかに世界水準のジェットエンジンの開発応力を得ることができたのか分かった気がした。技術者たちの執念のなせる業というべきか。自分も技術者を目指す身として、頑張りたいと思った。2009/03/30