出版社内容情報
坂井 三郎[サカイ サブロウ]
著・文・その他
内容説明
世界でもっとも速く強かった、撃墜王坂井三郎と戦友たちの迫真の記録。知られざる坂井三郎出撃記録や写真、用語解説等も新たに付け加えた決定版。
目次
第1章 苦しみの日は長くとも
第2章 宿願の日来たりて去る
第3章 ゼロこそ我が生命なり
第4章 死闘の果てに悔いなし
著者等紹介
坂井三郎[サカイサブロウ]
1916年、佐賀県に生まれる。青山学院中学部を中退し、1933年に海軍に入る。戦艦霧島、榛名の砲手をへて、1937年に霞ヶ浦海軍航空隊操縦練習生となり首席で卒業、戦闘機操縦者となる。初陣の1938年以来、九六艦戦、零戦を駆って太平洋戦争の最後まで大空で活躍。200回以上の空戦で敵機大小64機を撃墜したエース(撃墜王)。2000年9月逝去
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
63
貧しく、学校でも落第・転校。地元出身の将校への憧れが、空への夢となる。才能開花。経験則から平常心と思考力が心の拠り所。真珠湾攻撃に心躍る著者の姿勢が、時勢を象徴。米軍戦闘機の変遷と、著者の戦記感想変化も同様。戦況の悪化を匂わせる。散見される時代の矛盾が印象的。落下傘もない零戦部隊。つまるところ最後は自爆・・・を示唆も、そこに憤り。但し、何に対しての憤りかわからないと語る著者。感じる矛盾を口に出せない時勢。戦争の空しさではなかろうか。2016/09/17
のっち♬
49
死線を生き抜いた零戦乗りの戦記。その生い立ちは幼少期から努力と挑戦の繰り返しだ。「なにくそ」という精神力、日頃の訓練で培われた「体力的がんばり」、そして驚愕的視力と運で圧倒的不利の中、絶体絶命の窮地から突破口を切り開いて九死に一生を得る様は圧巻。また、読み手を引き込む卓越した文章力に驚かされる。文章の面白み、読みやすさなどは本書の特筆すべき点で、零戦の操縦法にはじまり、上官と外官の軋轢、空戦シーンなど臨場感のある筆致は見事。海軍における出身や階級の差別意識に対する憤りや悔しさが滲み出た文面も印象的だった。2017/07/29
金城 雅大(きんじょう まさひろ)
37
とびっきり疾走感のある小説ですね、コレは。 細かい描写や専門用語やすっ飛ばして、その疾走感に身を委ねながら爽快に読了。2020/06/01
馨
37
零戦のベテランパイロットといえば必ず名前が挙がる坂出三郎さん、かっこいいです!坂井さんに操縦を教えた教官が良かったのですね!非常に教えかたが上手だと思います!2012/09/10
かおりんご
33
自伝。やっと読めました。知り合いのじえーかんは、坂井さんが御存命のときにお話を聞いたことがあるそうで、羨ましい限りです。この話は、まだ序盤。生まれたときの話から、夢がかなって戦闘機乗りになり、激戦を潜り抜ける話でした。読んでいる限りだと、それほど天賦の才能があるとは思えず。運には恵まれているのかもしれませんが。とても興味深い戦闘のシーンが満載で、あっという間に読み終わってしまいました。そんなに難しい記述はないので、気楽に読めそうです。2018/10/14