内容説明
「日本の官僚は優秀」は本当か?現職課長が綴った驕り、堕落、腐敗に「官僚天国」は震撼、国民は愕然!日本のエリートが集まる霞が関の旧態依然、非能率に海外のマスコミも大反響。前例至上主義、国会想定問題集、予算決定の裏事情、いじめ事件などなど、英語、独語、仏語に訳された国際的ベストセラー、ついに文庫化。
目次
第1章 「官僚たるものの心得」入門
第2章 「集団主義」のありがたき洗礼
第3章 予算編成という「儀式」
第4章 「霞が関ムラ」の妬みの発想
第5章 「役人は役者であれ」論
第6章 マゾヒスト役人の「いじめ」の心理
第7章 お役所の掟「三大原則」の理由
第8章 「掟破り」の運命やいかに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hatayan
29
単行本は1993年刊。厚生省の現職の課長だった著者が役所の内情を面白おかしく暴露。ベストセラーとして海外でも刊行されました。 「国会議員には形だけでも尊敬の念を表すことにしている」「政策を推し進めようと思ったらまず人望が必要」役人の本音と行動原理を言い当てた1章から5章までが白眉。「仕事は個人の生活を豊かにするための道具」と現在の働き方改革に通じる見方も披露しますが、組織の和を乱すと判断された著者は厚生省で外局をたらい回しにされ、1995年に懲戒免職。訴訟にも敗れ、1999年にガンで亡くなっています。2019/06/16
mazda
27
わかってはいましたが、ここまではっきりと書かれると、霞が関の役人たちのために税金を払うのがバカバカしくなります。前例主義、国民ではなく国会議員を見て仕事をする、飲み会でのお酒の強要、セクハラ、意味のないポストの維持、などなど、数え上げたらきりがないです。こんな人たちが、いざ国家の危機という状況になったときに、役に立つとは到底思えません。我々国民は、できる限り税金を払わないように努力して、役人がこれ以上増えないようにがんばるしかないかもしれません。2017/03/06
魚京童!
15
お上を立てて好き勝手やるとなるとそうなるよね。2016/07/28
TW
7
官僚の世界は極めて封建的だということを19年前に指摘している本書。国会答弁の「前向きに」「配慮する」「検討する」が具体的にどんな意味を持つのか。霞ヶ関文学の始まり始まり。今でこそ古賀茂明さんや高橋洋一さんなどが著名だが、まだ当時は官僚が善で政治家が悪であった時代。TVタックルやたかじんのそこまで言って委員会もない時代。そんな時代に官僚風刺を帰国子女の観点からおかしいという本書。ちなみに、官僚の世界の変な所は今はメディアでさんざんやっているので割愛(笑)2012/04/23
k2jp
5
官僚の世界が本当に「官僚化」している内情を帰国子女視点で指摘。筆者の精神分析医としての心理的な観察や分析が興味深い。「前向きに検討する」のような独特な表現の「訳語」や、「官庁の職員数は仕事量の有無に関わらず増え続ける」という「パーキンソンの法則」、予算を減らすと左遷、「遅れず」「休まず」「仕事せず」という「三大原則」等が紹介されている。ジョージ・オーウェルを引き合いに出しながら、全体主義には二重思考が必要で、これは日本の建前と本音だという指摘は鋭い。恐らく妬みの原因は、年功序列と終身雇用で起こる組織内政治2012/01/13
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