内容説明
抑圧者だった父親、こどもを愛しすぎてしまう母親。おとなになる道のりの途中で、誰もが一度は経験する甘えと自立の心の葛藤。それが内なる狂気に変わる時、稀有な知性を持った人間にどんな影響を及ぼし、その才能を開花させたのか!?天才の極めて人間臭い心理的側面、とくに異常、病的な側面を研究し、その創造の秘密に精神医学的にアプローチする学問が病跡学である。ベートーヴェン、三島由紀夫…。歴史的人物の知られざる精神の過程と創作力の秘密が明らかになる。
目次
第1部 聞き手にも共通する作曲家の心の病(マーラー―不幸な生い立ちを反復しないではいられない;ストラヴィンスキー―その幻影は人類史の深い層から浮かんできた;ベートーヴェン―作品には悪魔の集中力が潜んでいる;シューマン―こどもの魂とおとなの知性 ほか)
第2部 生い立ちに根ざした作家たちの「甘え」の病理(三島由紀夫―社会、時代、正常な愛への対立者として;夏目漱石―死ぬまで抱えた「人に甘えられない不安」;芥川龍之介―自殺への道筋;中原中也―長い間、常に狂気の近くにいた詩人 ほか)
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