内容説明
独裁70年―悲劇と苦悩をも笑いとばし、したたかに生きるロシア市民の知恵。レーニン、スターリンからゴルバチョフ、エリツィンまで「革命と戦争」の激動の20世紀に、市民の間で大人気の小話(アネクドート)の傑作集。秘密警察、投獄、物不足そして経済破綻と理想郷の崩壊…あらゆる困難にも屈せず、笑いに明日の希望を見出す人々の厳選459作品は、権力と腐敗、支配と官僚主義の根本を衝いている。
目次
第1部 独裁の絶頂(革命政権;個人崇拝;愚民政治;官僚主義;偏見と蔑視;セックス)
第2部 独裁の黄昏(国葬;立て見し;破綻;終焉;市場経済;カオス)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
クマシカ
9
貴重な中古本を手に入れ読み込んだのに、引っ越しやらなんやらで手放してしまった。ロシア人のブラックユーモアたっぷりの小噺集。面白かった。また手に入ったら読みたい。今の時代は差別の問題でこの本に出てくる民族ジョークはほぼすべてアウトだろうな。ロシアの一般的なジョークは基本的に皮肉たっぷりらしいです。
arianrhod
5
アネクドート(小話)、面白い。聞いたことのあるのも何個かあった。日本でもこのくらいのブラックユーモアがコメディアンやタレントの口からこぼれてもいいのに。2020/02/10
中川 勇也
1
★★★★☆ ユーモアセンスがすごい、こんだけのアネクドートが発展した裏にはソビエトの言論弾圧の凄さと生活水準の酷さが垣間見える、共産主義がサハラ砂漠で芽生えたらどうなるか→砂が不足するは笑った2020/05/03
淳
1
著者は時事通信のモスクワ特派員の経験を持つ記者。 アネクドートと言われる風刺要素のある政治的小咄をロシア革命からソ連崩壊に至るまでの時代別に紹介する。 ゴルバチョフの「欧州共通の家」構想を家の間取りに擬え、イギリスは玄関、フランスは応接間、イタリア・スペインは食堂、ロシアは豚小屋のオチに爆笑。2017/03/27
猫森
1
「世情を変えられないなら、せめて皮肉って笑ってしまえ」というロシア人の心意気は見上げたものだ。しかし、こういうアネクドートを作って広めることも、もしかしたら当時は命がけだったのでは。続編を強く希望。「すっごく面白いから、騙されたと思って読んでみて」と常套句で他人に勧めたいが、ロシアや旧ソ連、社会主義や共産主義に興味が無い人には全然面白くないかもしれない。そういう人には「ボリス、どうするかそこで見てなさい」と言ってみたい。2014/03/30