内容説明
山火事で農場の暮らしがたちゆかなくなったワイルダー一家は、リンゴの苗木が実をむすぶまでのあいだ、町で働くことにする。うるさくて、ごみごみしていて、ロッキーリッジとはおよそかけはなれた町の生活。家に下宿人を置いたり、戦争のニュースで騒然となったり、戦争帰りの流れ者に出会ったりと、ローズの身辺でもさまざまな出来事が起こる。そして、初恋。あわい思いに胸をときめかせながらも、やがてきびしい試練のときを迎えるローズ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
44
日照りで収穫が望めなくなり、現金収入を得る為に町の家に越してきた一家。初めは馴染めなかったローラとローズですが、少しずつ知り合いも増え馴染んできました。町での生活を読んでいると、私まで農場の生活が懐かしくて、早く農場に戻らないかなと待ち望んでしまいます。アメリカの軍艦がスペインによって爆撃され、戦争がありましたが、オウザークまでは被害が及ばず、収穫に追われます。ローズがポールに恋心を抱いて泣き崩れた時や、重い肺炎になった時の両親の温かい愛情に感動しました。2017/01/23
シュシュ
13
ローラが活躍したディベートや、好きな女の子が作ったパイを競り落とすパイサパーが面白かった。 米西戦争が起こり多少不安もあった頃だと思うが、 ローズは幼なじみに恋したり、小さな失恋をしたり、仕事をなくしたおじさんを助けたり…様々な経験をして成長する。ローラは「軍人ではなく、開拓民こそアメリカの英雄」「人からなんでも与えられることは自由を売ること」という。開拓時代=『自由と独立』という感じがする。 どんなに大変なことがおきてもくじけない気持ちの底にはそんな思いがあるのだと思う。 2015/02/04
kagetrasama-aoi(葵・橘)
10
新・大草原の小さな家シリーズ第五巻。悪天候etc.で農場を離れて、現金収入を得るために町に住むことになったワイルダー家。ローズが十一歳の時の物語。一番印象的なのは、ディベイトで、ローラがインディアンと黒人がどちらがより虐げられていたかを語る場面でした。生きた歴史を感じました。あとローズの初恋のお話、ローラの同じ年齢の時と比べると思春期が早い感じです。ポールというとっても素敵な男の子が幼馴染として存在したからかな……と思います。そしてパイ・サパーのあのお話は酷過ぎる!ああいう女の子って実際にもいるのかしら?2018/04/20
あんり
4
ローラの物語も好きですが、ローズの物語も好き。赤毛のアンも読みたくなったなぁ2020/06/10
Yuki Snowy
4
ロッキーリッジからオウザークの町へ引っ越し,新しい隣人たちとの関係の中で町の生活に慣れてゆくローズの物語。ローズは12歳。友人関係は少しずつ変わってゆく。ロイスにポール。そしてネイト。汽車のある暮らし。下宿人や流れ者。そして病気。何もかもがローズを大人にしてゆく。2017/11/27