虎の牙

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  • サイズ B6判/ページ数 360p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062207416
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

兄のために生き、兄のために死ぬ。信玄以前の武田家に最強の虎と牙がいた。武田のルーツを描く女流ヒストリーテラーのデビュー長編。本当の戦国の風景を、描きたかった。

「合戦のディテールと迫力、謎とどんでん返しというミステリー要素。呪いが信じられる土俗的世界と貨幣が流通する近代的世界がせめぎ合う独自の戦国を見事に作り出した圧巻のデビュー作だ」(末國善己 文芸評論家)

最強武田家のルーツを描く、女流ヒストリーテラーのデビュー長編小説。

兄のために生き、兄のために死ぬ。
信玄以前の武田家に、最強の虎と牙がいた。

武田信玄の父・信虎の謎の弟、勝沼信友。「山の民」として育てられたその男は、自らに流れる血の運命にのみ込まれていく。一方、罪を犯して流浪の末武田家に仕官した足軽大将の原虎胤は、その武勇から「鬼美濃」と恐れられ、外様ながら家中で重きをなしていく。乱国甲斐の統一を目指す武田信虎を挟んで、二人の男がある「呪」を背負いながら戦場を駆け巡る――。

序  下総国本佐倉城
第一章
第二章
第三章
終章 大善寺


武川 佑[タケカワ ユウ]
著・文・その他

内容説明

武田信玄の父・信虎の謎の弟、勝沼信友。「山の民」として育てられたその男は、自らに流れる血の運命に呑み込まれていく。一方、罪を犯して流浪の末武田家に仕官した足軽大将の原虎胤は、その武勇から「鬼美濃」と恐れられ、外様ながら家中で重きをなしていく。乱国甲斐の統一を目指す武田信虎を挟んで、二人の男がある「呪」を背負いながら戦場を駆け巡る―。

著者等紹介

武川佑[タケカワユウ]
1981年神奈川県生まれ。立教大学文学研究科博士課程前期課程(ドイツ文学専攻)修了。書店員、専門紙記者を経て、2016年、「鬼惑い」で第1回「決戦!小説大賞」奨労賞を受賞。『虎の牙』がデビュー作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とん大西

71
新感覚。骨太感もあり、土俗信仰を昇華させた和風ファンタジー要素もあって良かったです。信玄以前の武田家。山の民イシは若き守護信虎に忠誠を誓う。凶暴で優しい兄信虎に求められるままイシはアケヨ、信友と名を変え、そして生き方を変え武人として武田に尽くす。畏れと穢れ-霊峰富士をはじめ甲斐の国を囲む山霊に畏れを抱きつつも殺戮は続く。安寧の世の為か。穢れたアケヨ。呪いを絶ったアケヨ。彼は武田の礎となり得たのか。帯のどんでん返しが何なのか理解できなかったものの新しい歴史小説の力強さを感じました。(確かにもののけ姫っぽい)2018/01/11

あじ

46
【注目の新人作家見参】時代は戦国。四百年の宿怨(山神の呪い)を絶つ為、武田信直(信玄の父)、腹違いの弟アケヨ(信友)、原清胤(虎胤)が兄弟の契りを交わす出会いから語られる。合戦場面に尺を取り過ぎており、ひたすら年表を読まされているかのごとく膿んでしまった。時代考証の強みを誇示し、山神の存在を忘れ去った物語の鈍い展開があだだと思う。また人物描写も温く、兄弟の絶対的な絆が描かれず仕舞い。すっぽりと抜け落ちたまま【完】手前で、バタバタと慌ただしく畳まれた。長い目で見守りたい作家に留める。★3/5 2017/11/26

maito/まいと

29
この切なさとやるせなさを、どう昇華したらいいんだろう。自然と文明は交わりあえない、と言うことなのか。進化することが幸せとは言えないということなのか。山の民たる“信友”が愛する兄のために、友たる虎胤はその牙となるためにその生涯を捧げた物語。武田信玄の父の時代という馴染みのない時代、山の民の不気味さ、覆らなかった予言など、理不尽な裁定が胸を突く。演劇の神髄は観客の心をさび付かせることだ、という話があったが、この作品はさびをつけて去っていった。絶対読んで欲しい作品だが、読んで欲しくないような不思議な気分だ。2018/10/15

keith

24
あまり知られていない武田信虎の弟、勝沼信友の物語。武田の猛将である原虎胤と交互に信友の半生が描かれています。山神の呪いを解かんと奮闘する信友ですが、武田の行く末が分かっているだけに虚しさだけが残りました。2018/02/03

スー

19
59武田信虎・勝沼信友・原虎胤の3人が義兄弟の契を結び甲斐統一と甲斐の領民が飢えない国を作るために先祖の呪いに抗い今川家と北条家と戦いを繰り広げる物語で信玄の軍師から大好きになった虎胤が活躍するとの事で凄い楽しみだったです。虎胤の千葉追放から始まり後に信友となる山の民アケヨが山神の鹿を矢で射て呪われ山を追放され甲斐で信虎と虎胤とアケヨが出会うというスタートで心が踊りました。信虎時代なので信玄を支えた板垣信方・甘利虎泰・飫富虎昌・横田高松・多田満頼が若々しく躍動しているのが嬉しい楽しめました。2023/09/10

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