Ank:a mirroring ape

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 475p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062207133
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

2026年、多数の死者を出した京都暴動。感染症でもテロでもない。人類初の災厄に、霊長類研究者が立ち向かう。乱歩賞受賞第一作!2026年、多数の死者を出した京都暴動(キョート・ライオット)。
ウィルス、病原菌、化学物質が原因ではない。そしてテロ攻撃の可能性もない。
人類が初めてまみえる災厄は、なぜ起こったのか。
発端はたった一頭の類人猿(エイプ)、東アフリカからきた「アンク(鏡)」という名のチンパンジーだった。

AI研究から転身した世界的天才ダニエル・キュイが創設した霊長類研究施設「京都ムーンウォッチャーズ・プロジェクト」、通称KMWP。
センター長を務める鈴木望にとって、霊長類研究とは、なぜ唯一人間だけが言語や意識を獲得できたのか、ひいては、どうやって我々が生まれたのかを知るためのものだった。
災厄を引き起こした「アンク」にその鍵をみた望は、最悪の状況下、たった一人渦中に身を投じる――。

江戸川乱歩賞『QJKJQ』で衝撃の”デビュー”を果たした著者による、戦慄の受賞第一作!
我々はどこから来て、どこへ行くのか――。人類史の驚異の旅(オデッセイ)へと誘う、世界レベルの超絶エンターテインメント!!

プロローグ
1 霊長類研究者
2 これは感染爆発ではない
3 超暴動
4 かつてこうであったもの
エピローグ


佐藤 究[サトウ キワム]
著・文・その他

内容説明

2026年、多数の死者を出した京都暴動。ウィルス、病原菌、化学物質が原因ではない。そしてテロ攻撃の可能性もない。発端となったのは一頭の類人猿。東アフリカからきた「アンク(鏡)」という名のチンパンジーだった―。

著者等紹介

佐藤究[サトウキワム]
1977年福岡県生まれ。2004年に佐藤憲胤名義で書いた『サージウスの死神』が第47回群像新人文学賞優秀作となりデビュー。2016年『QJKJQ』で第62回江戸川乱歩賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

479
読ませる文章ではあるので、読書中は楽しめるが、読み終わってふと我に返るとなんか薄味だったような。科学的な記述に多くを割いた割には暴動の原因に説得力を持たせきれていなく、見せ方のせいもあるが、読者サイドとしては驚きや怖さが全然ない。こういうパニック物でゾクゾク感が全くないというのは大きな減点になる。結末に関しても、主人公やアンクの背景が平凡すぎて、罪と罰的なカタルシスに結びつかない。パルクールもなんか急に出てきた感が強く、完全に物語の都合。作者の科学知識を作品に消化させる為の試行錯誤の一作というところ。2017/10/06

starbro

282
佐藤究、江戸川乱歩賞受賞作『QJKJQ』に続いて2作目です。最小、タイトルは何かの暗号かと思いましたが、全く異なりました。プロローグから快調に飛ばして読めたのですが、最期が少し弱い気がします。『2001年宇宙への旅』のオマージュ小説かも知れません。2017/09/11

nobby

149
乱歩賞な前作と全く違うSFを存分に楽しんだ!序盤から語られる「京都暴動(キョート・ライオット)」とは何なのか!?テロ攻撃でも扇動でもなく「これは感染爆発(パンデミック)ではない」、一方で流れ出す噂は「AZ(オールモスト・ゾンビ)」…数頁毎に視点や場面変えての細かい構成や類人猿の多様な進化の記述にも惹かれ一気に読める。ただ前半から読者には、その殺戮の原因が示されているので少し中盤間延びを感じたのが残念…それでも終盤の収束に向けてのエンタメ模様や、明かされる遺伝子交えた大ネタがきちんと繋がっているのはお見事!2019/02/13

モルク

119
研究施設からのチンパンジーの逃亡、そこから世界に誇る観光都市京都で暴動が勃発する。人々は自らの身体をボロボロにしながら殺しあう。施設長望の少年時代鏡の部屋でのエリートの父から受けた暴力、アメリカ人ライターケイティの胸のあるスペイン語のタトゥーなど伏線がどう繋がるのか。時系列の違う話が小間切れで進むので分かりにくい部分もあるが、ゲノム解説は分かりやすい。鏡や水に写る姿は自分か他者かなどの鏡の認識や人類と類人猿の分岐など非常に興味深かった。「ジェノサイド」好きはきっとはまると思う。2018/06/22

MICK KICHI

97
類人猿と「ヒト」を繋ぐ鍵をめぐるサイエンスミステリー。キーワードは「鏡」と「暴力衝動」。謎をめぐる展開にかなり引き込まれ、頻繁に出てくるヴァイオレンス模写も設定に納得できるため苦にならなかった。ワンアイデアとしてここまで読ませる迫力があったと思う。しかし、主人公を含めた人間側の描写が物足りない。特に女性記者のタトゥーにまつわる記述、秀逸なわりに展開がみられなく残念。再読には向かないと思う。2019/04/04

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12068245
  • ご注意事項