15歳、ぬけがら

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15歳、ぬけがら

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  • サイズ B6判/ページ数 250p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062206013
  • NDC分類 K913
  • Cコード C8093

出版社内容情報

公園の公衆トイレで顔を洗う女子中学生だなんて、死んでもばれたくない! 泥沼のような貧困を生きる少女を描いた講談社新人賞佳作! 母さんが茶色の紙袋を揺らしてる。
 ものすごく久しぶりのハンバーガー。ポテトもある。ドリンクも。つばが出てきて、ガツガツ食べて、ゴクゴク飲んだ。
「そんなにあわてて食べなくても」
 母さんは疲れた声で、でも、笑ってた。さびしそうに笑って、ビールをゴクリゴクリとのどに流しこんでいる。
 母さんはどうやってこのお金を作ったんだろう。
 想像したら、のどが詰まった。食べつづけることを拒否することも考えたけど、いいにおいと食欲に負けた。なにも考えないことにして、久々の味を楽しむ。
 すべてを味わいおえたあと、どうしようもなく苦しくなった。ゴミ袋と包み紙が、あたしに問いかけてくる。
 おまえは何者だ。なんで、平気で食べられるんだ。
 そしてまた、そう思うそばから別の自分が否定する。
 考えるな。考えたら生きていけなくなるぞ。
                                          ――本文より

  母子家庭で育つ中学3年生の麻美は、「一番ボロい」といわれる市営住宅に住んでいる。家はゴミ屋敷。この春から心療内科に通う母は、一日中、なにもしないでただ寝ているだけ。食事は給食が頼りなのに、そんな現状を先生は知りもしない。 夏休みに入って、夜の仲間が、万引き、出会い系とつぎつぎに非行に手を染めていくなか、麻美は同じ住宅に住む同級生がきっかけで、学習支援塾『まなび?』に出会う。
『まなび?』が与えてくれたのは、おいしいごはんと、頼りになる大人だった。

1 マヨネーズとハンバーガー
2 パンの耳と野菜炒め、それから海苔弁
3 湯気の立ったソース焼きそば
4 カツ丼、チャーハン、ハンバーグ
5 クリームパンと塩おにぎり。あったかいお茶も
6 ハンバーグ弁当。ひときれのパン
7 貧乏チャーハンとフレンチトースト


栗沢 まり[クリサワ マリ]
著・文・その他

内容説明

母子家庭で育つ中学三年生の麻美は、「いちばんボロい」といわれる市営住宅に住んでいる。家はゴミ屋敷。この春から心療内科に通う母は、一日中、なにもしないでただ寝ているだけ。食事は給食が頼りなのに、そんな現状を先生は知りもしない。夏休みに入って、夜の仲間が、万引き、出会い系と非行に手を染めていくなか、麻美は同じ住宅に住む同級生がきっかけで、学習支援塾『まなび~』に出会う。『まなび~』が与えてくれたのは、おいしいごはんと、頼りになる大人だった。泥沼のような貧困を生きぬく少女を描いた講談社児童文学新人賞佳作!

著者等紹介

栗沢まり[クリサワマリ]
作家。都留文科大学卒業。公立中学校で国語教諭として勤務後、塾講師、学習支援塾スタディアドバイザーなどを経験。『15歳、ぬけがら』で、第57回講談社児童文学新人賞佳作受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ゆみねこ

77
心を病んだ母親と二人、荒廃した市営住宅に住む中三の麻美。夏休みに入ると頼みの綱の給食もない。貧しい家の子供たちの過酷な現状、「まなび~」のような支援システムが身近にあれば、そして困っている子供たちに救いの手を差し伸べることが出来たらと心から思いました。教員になる人は貧困の現状をよく知らないという事実にも納得。2017/10/16

itica

63
この物の豊かな時代にあって貧困と言う言葉を時々耳にする。食事もろくに摂れず給食だけが頼りの子がいると聞く。中3の麻美も母子家庭に育ち、母親も精神的に働くのが難しい環境にある。全編を通じて麻美の苦しさに胸が押し潰されそうになる。義務教育の子供たちには自力で何とかする力もない。先生も気づいているのかいないのか、力になれるとは言い難い。周囲からの疎外感を覚えながら、それでも一筋の光が麻美を照らす場面にホッとため息が漏れた。社会はどうあるべきなのか、大人はどうするべきなのか、しばし考えてしまうのである 2017/08/17

おかだ

57
これは良いものを読んだ!読友さんありがとう。現在日本は、6人に1人の子どもが貧困と言われる。貧困?って…実感なかったけど、子どもたちの置かれている極限状態が具体的に描かれていて、初めて深刻な状況を知った。安易な解決や都合の良い結末に落ち着かなかった所もリアルで良い。余談だけど、私の住む地域にも「まなび~」のような、子どもがご飯を食べる場所がある事を広報で知った。キャッチコピーが「みんなで食べると、おいしいよ!」。その一文に、空腹の子どもの自尊心を守り、1人でも多くの子どもを助けたいという願いを感じた。2018/04/22

うどん

52
このお話も辛かったー。まなび〜があって本当に良かったと思いました。2018/04/12

みえ

51
今の日本で、今日明日のご飯もなく、お腹をすかせてる子供たちがいるということが、切なくてたまらない。田舎では食べきれない野菜や多く作ったおかずを分けたり、普通にしてるから、麻美が近所だったらな~とか思うけど、都会ではそういう子供って多いんだろうか?2018/03/20

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