フォークロアの鍵

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  • サイズ B6判/ページ数 306p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062205771
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

民俗学研究で老人養護施設を訪れた女子学生が、「消えない記憶」の謎に巻き込まれていく。乱歩賞作家が贈る、深層心理ミステリー!羽野千夏は、民俗学の「口頭伝承」を研究する大学生。“消えない記憶”に興味を持ち、認知症グループホーム「風の里」を訪れた。出迎えたのは、「色武者」や「電波塔」などとあだ名される、ひと癖もふた癖もある老人たち。なかでも「くノ一」と呼ばれる老女・ルリ子は、夕方になるとホームから脱走を図る強者。ほとんど会話が成り立たないはずの彼女が発した「おろんくち」という言葉に、千夏は妙な引っ掛かりを覚える。記憶の森に潜り込む千夏と相棒の大地。二人を待っていたものは……!

第一章 むかしむかし、あるところに
第二章 「おろんくち」の意味を知りませんか?
第三章 手続き記憶
第四章 まだ息がある
第五章 赤ん坊の泣き声と木
第六章 伝えたい、伝わらない


川瀬 七緒[カワセ ナナオ]
著・文・その他

内容説明

千夏は民俗学の「口頭伝承」を研究する大学院生。老人の“消えない記憶”に興味を持ち、認知症グループホーム「風の里」を訪れた。入所者の一人・ルリ子は、夕方になるとホームからの脱走を図る老女。会話が成り立たない彼女の口から発せらせた「おろんくち」という言葉に千夏は引っ掛かりを覚え…。乱歩賞作家の傑作長編・深層心理ミステリー。

著者等紹介

川瀬七緒[カワセナナオ]
1970年、福島県生まれ。文化服装学院服装科・デザイン専攻科卒。服飾デザイン会社に就職し、子供服のデザイナーに。デザインのかたわら2007年から小説の創作活動に入り、2011年『よろずのことに気をつけよ』で第57回江戸川乱歩賞を受賞して作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nobby

226
グループホームを舞台に、ほぼ発語のない女性が徘徊不穏時に残した「おろんくち」の意味とは!?それなりに認知症との関わりや、それを語る機会がある立場として非常に楽しく読んだ。知らぬ人が読めば陳腐で驚愕であろう出来事や入居者面々の様子には、それほど誇張も感じず、あるある感満載。それを“色武者”や“くノ一”なんてアダ名にして笑わせる川瀬さんは素敵だ!終盤には謎解き、そしてビックリ恐怖はお約束だが、今作の主題はそこにあらず。“認知能力を失う”という“認知症”だが「病気と心は別」、これでいいんだと思う。2017/07/18

yu

177
Kindleにて読了。老人フォームの面々、キャラが濃い!っていうか、会話が最高ですね。とはいえ、現実の介護問題は深刻かと。千夏にイラっとする気持ちもわからなくはない。能天気というか、楽観的というか。少年の今後も気になる。しかし、終着点はとんでもなかった。まさか、そんな展開になるとはね。っていうか、民俗学はどこへ。。。2019/09/05

nuit@積読消化中

175
初読作家さん。認知症の強者揃いの老人たちが集まる「風の里」に民俗学の口頭伝承を研究題材とする主人公千夏が訪れる。ホームの老人たちをはじめ、登場人物が皆活き活きと描かれており、彼らの会話を追うだけでも読んでいて飽きません。千夏に加え、高校中退したばかりの大地が相棒となり、謎に包まれた伝承と事件が結びつくまでが気になり徹夜読みでした(笑)。しかし、前半かなりの重度の認知症だった老人たちや、深刻な家庭問題で悩んでた大地が、後半はガラリと変わるのには若干違和感はありつつも、それはそれとして面白かったです!2017/07/28

🐾Yoko Omoto🐾

172
年老いて健忘が進む中でも、何故か鮮明に残る記憶こそに、広くは語り継がれぬ特別な昔語りが存在するのでは。そんな思いで口頭伝承などの民俗学を研究する大学生の千夏が、認知症グループホームに入所する一人の女性から聞いた「おろんくち」という言葉が元で、何とも恐ろしい真実を掘り当ててしまうこととなる。序盤は漫画チックな老人たちの日常描写にミステリ期待値が下がるも、徐々に不穏な空気を撒きつつ、背筋が寒くなる真相から予想外の展開へ、右肩上がりに満足な収束。現実の介護現場で流石にこれは出来過ぎだとは思うが、それもまた良し。2017/07/20

雪風のねこ@(=´ω`=)

154
初読。冴えない風体の主人公かなと思っていたけれど端から鋭い洞察力を見せ、粘り強い行動力も併せて真実を掴んでいく。もっとオカルトっぽい物語と想像していたけど社会派ミステリーだと言える。辛気臭いかと思えば、元気な(空回りした?)老人達の言動に笑わされて、意外と暗くなり過ぎずに読み進めてゆける。まさかの展開で成る程と唸らされた。人は何時になっても心が大事なのだ。理屈では無く。数字は人を納得させる物だが、それは心を排している故なのだ。薬にもなり毒にも成り得る。(続く)2017/07/13

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