戦後歌舞伎の精神史

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  • サイズ 46判/ページ数 322p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062204873
  • NDC分類 774.26
  • Cコード C0074

出版社内容情報

戦後の「女形不要論」から、21世紀の古典として成立させた二代目吉右衛門、そして勘三郎、海老蔵まで、歌舞伎の真髄を描き尽くす!いまや「かぶき女子」が世に溢れるくらいの、歌舞伎ブームです。惜しくもなくなった中村勘三郎や、あるいはスター性抜群の市川海老蔵など、高い人気を誇る役者も枚挙にいとまがありません。
では、いったい歌舞伎とは何なのか。とくに、21世紀の現代社会に生きるわれわれにとって、歌舞伎とは何か?
演劇評論の第一人者である著者が、この問いに挑みます。
敗戦後、歌舞伎はどのように再興され、古典芸能であることと、戦後社会をどのように切り結んできたのか?
戦後の歌舞伎の歴史を現代の最先端まで検証しながら、その魅力と本質を存分に描ききった傑作です。
戦後は、まずは、「女形不要論」から始まります。歌舞伎にとって、まさに最重要課題といっていい「女形」について、戦後の精神は、どのように考えたのか。
そして、名優たちの興亡と、いまや「なんでもあり」といっていい現在まで。
歌舞伎の精神の戦後史です。

発 端  歌舞伎という家族の物語
第一章 祖父の時代
    戦争の傷あと/六代目菊五郎の科学性/「女形不要論」
第2章 父の時代
   八ッ橋と藤壺/幸四郎一門東宝入り/団十郎襲名とその死/歌右衛門王朝   の興亡
第三章 叔父の時代
   「曾根崎心中」と武智歌舞伎/鈴木忠志の発見――近代から現代へ
第四章 子の時代――現代
   古典劇としての歌舞伎の成立――吉右衛門/もう一つの側面――仁左衛門   /「桜姫」の神話
第五章 孫の時代
   コクーン歌舞伎と平成中村座/歌舞伎座建て替え/二人の「髪結新三」
第六章 曾孫の時代
   五世代の「助六」/なんでもありの世の中/歌舞伎とはなにか


渡辺 保[ワタナベ タモツ]
著・文・その他

内容説明

真の古典劇として成立させた二代目吉右衛門の現代性とは!?歌舞伎とはなにか?戦後日本文化の「精神史」を問う。「女形不要論」の嵐から、勘三郎、三津五郎、そして海老蔵まで。戦後七十年を問い直す!

目次

発端 歌舞伎という家族の物語
第1章 祖父の時代
第2章 父の時代
第3章 叔父の時代
第4章 子の時代―現代
第5章 孫の時代
第6章 曾孫の時代

著者等紹介

渡辺保[ワタナベタモツ]
1936年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、東宝入社。東宝演劇部企画室を経て、現在、演劇評論家、放送大学客員教授。『女形の運命』で芸術選奨文部大臣新人賞、『忠臣蔵』で平林たい子文学賞、『娘道成寺』で読売文学賞、『四代目市川団十郎』で芸術選奨文部大臣賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

etoman

2
著者が言うところの歌舞伎の型や精神という点が頭ではわかるがピンとこない。昔の名優の演技を見ないとわからんのかな。吉右衛門と故三津五郎の評価が非常に高く驚いた。大好きな仁左衛門への評価には頷けた。年代的に30代後半までしか紹介されておらず、勘九郎や七之助の評価はなかった。ただ、最近の歌舞伎役者はほぼ評価していないので、著者からみたらなっとらんということなんだろうな。2017/06/13

れいちゃん

1
見たことがない人にとって往年の名優の話はなかなかピンとこない。芸談や舞台写真が少ないため文章だけでは論理の飛躍や拡大解釈なのでは?と思う箇所が多々あった。もっと芸談や舞台写真を用いた論証が欲しいと思うのは、私が物質的時代に生まれた玄孫世代だからか。著者が執筆の動機となった現代歌舞伎への危機意識にはとても共感した。ワンピースなどの新作によって歌舞伎がポップカルチャー化し、古典というアイデンティティやオリジナリティが失われてしまう。それは、欧米化し日本文化や歴史を顧みなくなった日本人を反映しているように思う。2019/11/26

hidehi

0
著者の言う「叔父の時代」からはリアルタイムで見ているので、大半は共感を持って読めた。著者の言う「前近代」「近代」「現代」の内容と流れが若干わかりにくい部分があるので、必ずしも一刀両断に納得できる論ではないのだが、スタイルの変遷についてのだいたいの感覚についてはほぼ同意できる。2018/01/07

ちり

0
前近代、近代、現代、という区切りで語られているのだけど、いまだに一般的なスタンダードなのは、ここで言われてる「近代」の演劇の作法だよなあ2018/05/27

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