60―tとfの境界線

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  • サイズ B6判/ページ数 305p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062197755
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

冤罪を調査する「誤判対策室」。老刑事・有馬、女性検事・春名、若手弁護士・世良の3名は無実の死刑囚を救えるか。司法ミステリー!老刑事・有馬と、女性検察官・春名、若手弁護士・世良の三名は、「誤判対策室」に配属された。無罪を訴える死刑囚を再調査し、冤罪の可能性を探る組織だ。配属から半年後、有馬は行きつけの飲み屋の女将・綾子から不穏な話を聞く。最近来た二人組の男客が、殺人の犯行を仄めかすような話をしていたというのだ。冤罪事件に関わっているのではないかと有馬は疑い、該当する事件を突き止める。2011年に母親とその子供二人を殺害した罪で、古内博文という男の死刑が裁判員裁判で確定していた。誤判対策室は調査を開始し、綾子が言っていた怪しい二人の内の一人の身元を割り出す。大窪という男が判子詐欺の容疑で捕まったのだ。有馬と世良がその線を調べていくうちに、古内の娘・琴乃が詐欺事件に関わっている可能性が浮かび上がる。しかも、その夫の矢野高虎は、殺人を仄めかしたもう一人の男かもしれないのだ。──迫りくる古内の死刑執行。有馬は警察の取り調べ記録を、春名は検察の証拠品リストを、世良は解剖医の鑑定書を、それぞれ洗い直すとに!

石川 智健[イシカワ トモタケ]
著・文・その他

内容説明

老刑事・有馬と、女性検事・春名、若手弁護士・世良の三名は、国の政策で創設された「誤判対策室」に配属された。無罪を訴える死刑囚を再調査し、冤罪の可能性を探る組織だ。配属から半年後、有馬は小料理屋の女将から、二人組の客が殺人の犯行を仄めかしていたことを聞く。冤罪事件を有馬は疑い、母親とその子供二人を殺害した罪で、古内博文という男の死刑が確定していることを突き止める。誤判対策室は調査を開始するが、古内の死刑執行が迫る!

著者等紹介

石川智健[イシカワトモタケ]
1985年神奈川県生まれ。25歳のときに書いた『グレイメン』で2011年に国際的小説アワード「ゴールデン・エレファント賞」第2回大賞を受賞。2012年に同作品が日米韓で刊行となり、26歳で作家デビューを果たす。現在は医療系企業に勤めながら、執筆活動に励む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

モルク

93
検察官、弁護士、警察官それぞれ1名ずつの計3名で構成されている誤判対策室は死刑囚が冤罪の可能性はないかを調査する新しい組織である。事件当初から自白し、犯人しか知り得ないこともあり、全く疑う余地のない事件を調査する。調査している現在と並行して当時の裁判の様子も描かれながら進む。調査の進行を阻むように早まる死刑の時期。そしていよいよタイムリミットが迫り死刑執行の瞬間が…。そこまでするかという終章が圧巻である。続編「20」も是非読みたい。2019/12/02

misa*

86
無罪を訴える死刑囚を再調査し、冤罪の可能性を探る組織の「誤判対策室」。弁護士、検事、刑事の3人で無実なる証拠を集めていくのだけれど、ジワジワと迫ってくる感じが先へとページを進ませる描き方で、初作家さんなのにスラスラ読めた。どんでん返し!って激しさはないものの、巻き返しが上手い。ただ、最後に残る後味が悪いから、あたしはその辺ハッキリして欲しかったかな。でもそれがタイトルの境界線に繋がってると思えば…分からなくもないけどね。読友さんオススメ本、面白かったです!2018/01/12

🐾Yoko Omoto🐾

65
石川作品初読み。刑事・検察・弁護士と、立場は勿論、抱えるものも三者三様に異なる誤判対策室のメンバーを始め脇役に至るまでキャラの躍動感がとにかく好印象。メンバーそれぞれが自身の職を睹す展開、矜持や苦悩、葛藤がリアルに窺い知れるストーリーにも最後まで引き込まれた。捜査機関や司法、真実を知っていながらもそれを語らない、嘘をつくという卑劣な人間が生み出す冤罪、「疑わしきは罰せず」という美徳の中に潜む薄ら寒い真実。真実だと思っているものは、誰かの手によって都合良く修正されたものかも知れないと思うとゾッとする読後感。2015/09/24

さっこ

60
「20」という続編が出たということで読んでみましたが、面白かったです!刑事、弁護士、検事の3人で組織する誤判対策室。死刑確定囚が冤罪ではないか調査する部署で、物語は並行して確定した裁判の模様も挟みながら進みます。結末も読者へ投げかけるような終わり方が余韻を残します。次はなんとしても「20」を読みたい!2019/09/20

yukision

57
死刑囚の冤罪を防ぐために設置された「誤判対策室」。本来は冤罪だという死刑囚の訴えにより調査されるはずが、全面的に罪を認めている死刑囚の事件を掘り起こしたために調査は困難を極める。初めての作家さんだったが、期待以上に面白かった。「20」と一緒に借りてきたので引き続き読もう。2020/08/01

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