終わった人

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  • サイズ B6判/ページ数 373p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062197359
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

「定年って生前葬だな」仕事一筋だった男が定年を迎え、人生の居場所を求めて惑い、あがき続ける。果たして安息の時は訪れるのか?定年って生前葬だな。
衝撃的なこの一文から本書は始まる。
大手銀行の出世コースから子会社に出向させられ、そのまま定年を迎えた主人公・田代壮介。仕事一筋だった彼は途方に暮れる。年下でまだ仕事をしている妻は旅行などにも乗り気ではない。図書館通いやジムで体を鍛えることは、いかにも年寄りじみていて抵抗がある。どんな仕事でもいいから働きたいと職探しをしてみると、高学歴や立派な職歴がかえって邪魔をしてうまくいかない。妻や娘は「恋でもしたら」などとけしかけるが、気になる女性がいたところで、そう思い通りになるものでもない。
これからどうする?
惑い、あがき続ける田代に安息の時は訪れるのか?
ある人物との出会いが、彼の運命の歯車を回す──。
シニア世代の今日的問題であり、現役世代にとっても将来避けられない普遍的テーマを描いた話題沸騰必至の問題作。

内館 牧子[ウチダテ マキコ]
著・文・その他

内容説明

大手銀行の出世コースから子会社に出向、転籍させられそのまま定年を迎えた田代壮介。仕事一筋だった彼は途方に暮れた。妻は夫との旅行などに乗り気ではない。「まだ俺は成仏していない。どんな仕事でもいいから働きたい」と職探しをするが、取り立てて特技もない定年後の男に職などそうない。生き甲斐を求め、居場所を探して、惑い、あがき続ける男に再生の時は訪れるのか?ある人物との出会いが、彼の運命の歯車を回す―。

著者等紹介

内館牧子[ウチダテマキコ]
1948年秋田市生まれの東京育ち。武蔵野美術大学卒業後、13年半のOL生活を経て、1988年脚本家としてデビュー。テレビドラマの脚本に「ひらり」(1993年第1回橋田壽賀子賞)、「てやんでえッ!」(1995年文化庁芸術作品賞)、「毛利元就」(1997年NHK大河ドラマ)、「私の青空」(2000年放送文化基金賞)、「塀の中の中学校」(2011年第51回モンテカルロテレビ祭テレビフィルム部門最優秀作品賞およびモナコ赤十字賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Yunemo

408
「終わった人」との定義って何だろうな、との想い。「定年」という定義も。絶対に避けられないテーマ、家族のために、定年まで働き続けたんだよ、そう言いたい気持ちは誰しもが。でも、どこかの時点から違って来るんです。いつの間にか、抜けきれない仕事中毒に侵されて、妻の独立で知らぬ間に孤独。前提は高学歴、一流企業での職歴、自身の責任ではない思いもかけない挫折、やっぱり成仏できぬまま現生に生き永らえる悲惨。なんだかな、ここまで見栄を張って生きなくちゃならないのかな、ちょっとの不思議感。自身が気付くこと、胸中に留め置こう。2016/01/03

Atsushi

357
定年退職した主人公が、その後の生活の中で自分の居場所を求め足掻き彷徨う物語。傷心の末、辿り着いた故郷と迎えてくれた旧友がありがたい。おかしなプライドを捨て「終わった人」である自分を素直に受け入れれば豊かな老後が迎えられるようだ。大型連休も今日でおしまい。明日からまた仕事頑張ろう。2018/05/06

mura_海竜

285
田代壮介、銀行マンで定年を向かえる。生きがいであった仕事を突然失い、人生に物足りなさを感じていた。読み始めは、大変退屈で途中までレビューをどうしようか本気で考え始めたとき、話の中でジム友達から顧問のオファーの話があり、ようやくを書き始めた次第。(しばらく読んで)。再就職が決まり、田代は息を吹き返す。創業者の不慮の事故で社長に就任。その後、倒産の危機から倒産、負債を抱え、家庭問題へ発展。卒婚へ。現実的な倒産を目の当たりにビジネスの怖さを感じたことなど。定年になる前に読んでおいてよかったと思った。盛岡。 2017/05/21

ナイスネイチャ

259
図書館本。いや~面白い!!一流企業に就職し、子会社にて定年を迎えて、老後プライドを持ちながら生き甲斐を見つけようとする主人公。男の欲望だったり如実に表現されており、自分は気をつけようと身につまされる思い。特に主人公の娘の文言が的確でした(著者の意見だと思いますが)。2016/09/28

milk tea

224
人生の着地点に大差はなく、最期は皆横一列。「散る桜、残る桜も散る桜」が、心の中でずっと反芻してる。2016/07/24

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