出版社内容情報
大阪で古本屋を営む、ベテラン、若者、曲者たちが、古地図を元にお宝探しを始めた。手に入れるのは、金か、愛か、ただの紙くずか。 舞台は現代の大阪。古本屋の商売は年々厳しく、ある者は借金取りに追われ、またある者はアルバイトで稼ぎしのいでいる。大きく稼げる古典籍というものは、歴史的な大火に何度も見舞われた大阪からはもはや出てくる筈が無い、というのが古本屋の間では常識となっている。
ところが、「お宝はあんねん」と名物古書店の3代目・高津は、遊郭の畳の下から見つけてきたという、マル描いていてチョンの古地図を振りかざして若い古本屋たちに号令をかけた。しかし、有名大学を出て親の後を継いだ桃神書房の啓太は来ずに風俗通いを噂され、チキチキ書房のチキは街金に手を出して、妻と元愛人に店を任せたまま行方が知れない。集まったのは、自分の店を持たずチキの店を手伝う心優しいムシカと、理香子の二人だけ。東京で働く理香子は大阪に出張で来ており、行末に悩みを抱えている。小学校時代同級生だった理香子に、啓太もムシカも思いを寄せていた。
高津の読みどおり、大阪のどこかにお宝は眠っているのか? 古本屋たちは智恵を巡らせ、それぞれのやり方でお宝探しを始める。
再会
メ?探偵、誕生
誰がために金は唸る──欺されて来て誠なる初桜 今を盛りと夕景色
とけて流れりゃみな同じ──情のかけろく、其乗懸をいかにかはせむ
おおはだけ、めそを誰が吟味する──アホか。んなもん、誰がいちいち勘ぐんねん
エピローグ
堂垣 園江[ドウガキ ソノエ]
著・文・その他
内容説明
名物古書店の三代目が古本屋たちに宝探しの号令をかけた。メンバーは、有名大学を中退し親の店を継いだ啓太。幼馴染で、店を持たず手伝いで稼ぐムシカ。その二人が思いを寄せる理香子は、東京で挫折して大阪に来ていた。借金まみれのチキは、妻と元愛人に店を任せ逃げ回っている。若者、曲者、正直者の古本屋たちが、人生の再起を賭けて動き出す。手に入れるのは、金か、愛か、ただの紙くずか。
著者等紹介
堂垣園江[ドウガキソノエ]
1960年大阪生まれ。1996年に「足下の土」で第39回群像新人文学賞優秀作。1994年からカナダに暮らし、1997年からメキシコに滞在、2000年に帰国し大阪に住む。2001年に『ベラクルス』で第23回野間文芸新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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