完全版 山口百恵は菩薩である

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  • サイズ B6判/ページ数 434p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062193627
  • NDC分類 767.8
  • Cコード C0095

出版社内容情報

究極の百恵伝説を描き上げ、歌謡曲評論を思想にまで高めた歴史的名著、完全版となって、いま甦える!五木寛之氏推薦――〈少女菩薩歌手〉の背後に見え隠れするものは、新たな日中米三国同盟の包囲線の中に備蓄される組織されたエネルギーの後光である。異論を持つ者にこそ、彼の一冊は有効だ。この酔狂の魅力。

菊地成孔(ジャズ・ミュージシャン)氏推薦――この鬼才による奇書が、早過ぎたカルチュラル・スタディーズだったのか、バブル前夜のポスト・マルキシズムだったのか、中南米文学と切断的に呼応したマジックリアリズムだったのかはどうでも良い。それよりも何よりも、新時代など来なくて良い。ネットによって去勢されたこうした知性を、こうした筆力を、日本人の論壇は取り戻せるうちに取り戻すべきである。

中森明夫(アイドル評論家)氏推薦――現在は史上最大のアイドルブーム真っ盛り、AKBからももクロ、日本各地の地元アイドルや地下アイドルまで百花繚乱、さながらアイドル五百羅漢の乱舞する曼陀羅図。が、その原点に一個の菩薩があった。菩薩・山口百恵は昇天したが、35年後、突如、完全版の本書復刊によって再臨する。平岡正明、復活! この本を読まずして、アイドルを語るなかれ!!

かつて、一人の貧しい少女が歌手となり、
ひたむきな歌の力で日本を浄化した。
優雅な美しさに至った彼女は「菩薩」と呼ばれた――。

究極の百恵伝説を描き上げ、歌謡曲評論を思想にまで高めた歴史的名著、完全版となって、いま甦える!

百恵さん、あなたは菩薩だ! 鬼才がその情熱のすべてを傾けて捧げる熱烈なラブレター。

序文 酔狂の魅力 五木寛之
1章 恋文、二度三度――菩薩テーゼあわせて一〇八
2章 説法・百恵百態
3章 恋文、ひとたび――百恵覚書あわせて七〇
4章 無限抱擁∞――修羅 修羅 阿修羅 修羅……
5章 百恵問答
6章 再び地に帰る菩薩
7章 百恵秘法vs.宇崎竜童
8章 百恵神話
全曲事典
初版あとがき
文庫版あとがき
解説 歴史を歌う希有な作業 四方田犬彦


平岡 正明[ヒラオカ マサアキ]
著・文・その他

四方田 犬彦[ヨモタ イヌヒコ]
編集

内容説明

かつて、一人の貧しい少女が歌手となり、ひたむきな歌の力で日本を浄化した。優雅な美しさに至った彼女は、「菩薩」と呼ばれた。究極の百恵伝説を描き上げ、歌謡曲評論を思想にまで高めた革命的名著、完全版となって、いま甦える!!

目次

1章 恋文、二度三度―菩薩テーゼあわせて一〇八
2章 説法・山恵百態
3章 恋文、ひとたび―百恵覚書あわせて七〇
4章 無限抱擁∞―修羅 修羅 阿修羅 修羅…
5章 百恵問答
6章 再び地に帰る菩薩
7章 百恵秘法vs.宇崎竜童
8章 百恵神話
全曲事典

著者等紹介

平岡正明[ヒラオカマサアキ]
1941年‐2009年。東京市本郷区(現東京都文京区)生まれ。早稲田大学文学部露文科中退。ジャズ評論家。60年安保闘争に関わったのち、政治結社「犯罪者同盟」を結成して社会の撹乱を企てる。64年『韃靼人宣言』で先鋭な政治思想家としてデビュー。竹中労、太田竜とともに「三バカトリオ」を形成し、社会下層の制外の民を主人公とした窮民革命を唱える。80年代以降は、歌謡曲、河内音頭、浪曲、新内、落語などを対象に、独自の民衆思想を構想した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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harass

53
図書館で見つけ手に取る。この本は戦後歌謡曲評論の傑作であると知ってはいたが現物は初めて見た。歌手山口百恵のデビューから引退まで約20年かかって書かれてきた評論をまとめたものだ。過剰な妄想と情熱を含む言葉の集積物を築いていく。勇ましく知的な演説を読んでいるような心地よさがある。新左翼の活動家でもあってアジテーションはお手のものだろう。『自分の煩悩を歌に昇華させた山口百恵は、他人の煩悩にも鋭敏に反応するだろう。他人の煩悩を自分の悲劇にくり込んで山口百恵はさらに大きくなるだろう。すなわち菩薩である。』2016/09/27

yyrn

26
図書館で表紙に釣られて思わず借りてしまったが、2015年に再編出版された本。山口百恵が21歳で引退してからすでにその時点で35年も経っている。初出版は引退間際の1979年なので、その時であれば、もういなくなるスターに別れを惜しんで手に取る人も多かっただろうが、世代が一巡するほどの時間が経っているのに何故?と思ったが、ああーそうか、リタイア間近の60歳前後が、当時を懐かしんで手に取ることを狙ったかw。で、まんまと罠にハマったが、当時はこの本の文章のような小難しい屁理屈が受けた時代だったことを思い出した。⇒2022/11/19

巣々木

2
山口百恵に興味を持ちオリジナルの旧版にて。寺山修司のエッセイに通じるような文体に軽い狂気も感じるが、なにかその熱に浮かされ、古いレコードなど集め始めてしまった。2017/04/19

c

2
読んだことがあるつもりだったが勘違いだったな。しかし酷い本だ。書名は高名だし、平岡正明の語り口も嫌いではないのだが、これには感心出来なかった。いい歳をした男が二十歳の娘を観念の玩具として弄んでいる様は、ブームだった頃のAKBに踊った文化人同様、みっともないがまだ可愛げで済ませられる(弄ばれる方にとっては違うだろうが)。それより度し難いのは論旨の乏しさである。ひたすら強引なアナロジーで対象を権威化するだけ。結局、「俺が好きなものが凄いのは俺が好きだからだ」というよくあるサブカル語りの隘路で足踏みしている。2017/01/15

Natsuhiko Shimanouchi

2
壮大で痛快なラブレターでありアジテーション。山口百恵を語るのにジャンゴ・ラインハルトまで出てくるとは。。2015/08/29

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