かわいいだけじゃない私たちの、かわいいだけの平凡。

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かわいいだけじゃない私たちの、かわいいだけの平凡。

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062192842
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

今、最も注目される詩人・最果タヒが紡ぐ、初めての長編小説――。少女たちは、いつだって青春を戦っている。

詩集『死んでしまう系のぼくらに』で世界を震わせた、
今、最も注目される詩人・最果タヒが紡ぐ、初めての長編小説――。

少女たちは、いつだって青春を戦っている。
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きみがぼくに使うかわいいという言葉が、ぼくを軽蔑していない、その証拠はどこにあるんだろう。好きとも嫌いとも言えないなら、死ねって言っているようなものだと、いつだってきみは、怒っている。ぼくは、きみを好きでも嫌いでもないまま、優しくありたい。かすかな、死の気配でありたい。
愛情で語れる友情は、ただの代替品でしかない。

きみが孤独なふりをするあいだ、ぼくはきみと友達でいる。光る波がおしよせて、ひいていく。きみの足首がぼくと同じで、ただそこにあることを、だれにも証明ができない。
孤独になれば、特別になれると、思い込むぼくらは平凡だ。制服がかろうじてぼくらを意味のあるものにしてくれる。
きみは、どんな大人になるかな。
あたりさわりのない、この世にいてもいなくても変わりない、誰かになるのかな。
幻滅が存在しないのは、友情だけだよ。海が告げる。きみは立っている。
ぼくの友達。
(詩・最果タヒ)
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【著者紹介】
最果タヒ(さいはて・たひ)
1986年、神戸市生まれ。
第44回現代詩手帖賞、第13回中原中也賞受賞。
詩集に『グッドモーニング』(思想社)、『空が分裂する』(講談社)がある。近作の詩集『死んでしまう系のぼくらに』(リトルモア)が、評判を呼び、多くのファンを獲得する。
今、最も注目されている、若手詩人の初小説。

内容説明

少女たちは、いつだって青春を戦っている。どこにでもありそうで、どこにもない、たったひとつの女の子たちの物語。詩集『死んでしまう系のぼくらに』で世界を震わせた、今、最も注目される詩人が紡ぐ、初めての長編小説―。

著者等紹介

最果タヒ[サイハテタヒ]
詩人・小説家。1986年、神戸市生まれ。2006年、第44回現代詩手帖賞を受賞。2008年、『グッドモーニング』(思潮社)で、当時女性最年少の21歳で、第13回中原中也賞を受賞。2014年に出版した『死んでしまう系のぼくらに』で大きな注目を集めた。『群像』『文藝』『早稲田文学』などにて、小説家としても活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さや

27
この本を読んで、小・中学生の時ともだちを「親友」と呼ぶ違和感を思いだした。なぜか親友と呼ぶのが嫌だった。この本を読んで簡単に言葉という枠で捉えることで失われることがあるのだと思った。ネットが進む世界で、主人公は魔法少女となってネットが生む悪意から生じる敵をやつけるなんてSF的な設定だけど、それはむしろ女子高校生たちの等身大の物語のよう。言葉にできない感情たちが物語の中に埋め込まれている。2017/08/08

Kei

25
初読みの最果タヒさん。ネットやロボットのフレーズが出てくるライトなSFかと思いきやどんどん複雑化してきて実はけっこう重め。2018/12/05

深青

19
序盤から中盤にかけては設定の突飛さやストーリーの流れがうまく掴めずだったけど、後半の展開が面白くてとても深かった。まだ2作目なんだけど最果さんの言葉に思わず納得して共感してしまう。高校時代に読みたかったよ…!そして、あとがきがまた良い。最果さんの詩集も読んでみたいなぁ。2015/07/11

猫路(ねころ)

12
最果タヒさんの長編小説、前半と後半とあとがきに分かれている。前半は学校生活での魔法少女の女子高生とロボットという関わりで緩い関係性を構築していたのだが、後半になると何かが壊れてくる、物理的にも精神的にも。読み上がり、友達や友情という名の平凡な女子高生ということなのだろうか。2024/02/29

若布酒まちゃひこ/びんた

12
かわいい。2015/03/10

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