出版社内容情報
今、最も注目される詩人・最果タヒが紡ぐ、初めての長編小説――。少女たちは、いつだって青春を戦っている。
詩集『死んでしまう系のぼくらに』で世界を震わせた、
今、最も注目される詩人・最果タヒが紡ぐ、初めての長編小説――。
少女たちは、いつだって青春を戦っている。
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きみがぼくに使うかわいいという言葉が、ぼくを軽蔑していない、その証拠はどこにあるんだろう。好きとも嫌いとも言えないなら、死ねって言っているようなものだと、いつだってきみは、怒っている。ぼくは、きみを好きでも嫌いでもないまま、優しくありたい。かすかな、死の気配でありたい。
愛情で語れる友情は、ただの代替品でしかない。
きみが孤独なふりをするあいだ、ぼくはきみと友達でいる。光る波がおしよせて、ひいていく。きみの足首がぼくと同じで、ただそこにあることを、だれにも証明ができない。
孤独になれば、特別になれると、思い込むぼくらは平凡だ。制服がかろうじてぼくらを意味のあるものにしてくれる。
きみは、どんな大人になるかな。
あたりさわりのない、この世にいてもいなくても変わりない、誰かになるのかな。
幻滅が存在しないのは、友情だけだよ。海が告げる。きみは立っている。
ぼくの友達。
(詩・最果タヒ)
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【著者紹介】
最果タヒ(さいはて・たひ)
1986年、神戸市生まれ。
第44回現代詩手帖賞、第13回中原中也賞受賞。
詩集に『グッドモーニング』(思想社)、『空が分裂する』(講談社)がある。近作の詩集『死んでしまう系のぼくらに』(リトルモア)が、評判を呼び、多くのファンを獲得する。
今、最も注目されている、若手詩人の初小説。
内容説明
少女たちは、いつだって青春を戦っている。どこにでもありそうで、どこにもない、たったひとつの女の子たちの物語。詩集『死んでしまう系のぼくらに』で世界を震わせた、今、最も注目される詩人が紡ぐ、初めての長編小説―。
著者等紹介
最果タヒ[サイハテタヒ]
詩人・小説家。1986年、神戸市生まれ。2006年、第44回現代詩手帖賞を受賞。2008年、『グッドモーニング』(思潮社)で、当時女性最年少の21歳で、第13回中原中也賞を受賞。2014年に出版した『死んでしまう系のぼくらに』で大きな注目を集めた。『群像』『文藝』『早稲田文学』などにて、小説家としても活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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