夢の燈影

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  • サイズ A5判/ページ数 253p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062190916
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

幹部隊士の華々しい活躍の陰で、語られることのない無名隊士たちの人生もまた、あった。新世代の書き手による、新しい新選組の物語。

新選組――その人斬りに、志はあったのか。
男たちに残された最後の夢は、この女性作家に描かれるのを待っていたのかもしれない。

井上源三郎……「おれはここにいていいのか」と自問する齢の離れた幹部。
蟻通勘吾……入隊を勧めた従兄は失踪し、「死番」が続く日々。
近藤周平……美しい顔をもつ局長の養子。
酒井兵庫……粛正された隊士の死を見守る寄越人。
山崎丞……敵も味方も監視し続ける監察方。
中島登……明治になっても、獄で隊士の絵を描き続ける男。

日本の夜明け前――幕末維新を駆け抜け、散っていった「新選組」。幹部たちの華々しい活躍の陰で、語られることのなかった無名隊士たちの人生もまた、あった。夢、希望、そして、家族と生活。新しい世代の書き手による、新しい新選組の物語がここに始まる。

信心
夢告げ
流れ木
寄越人
家路
姿絵

【著者紹介】
小松エメル(こまつ・えめる)
 1984年東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒業。母方にトルコ人の祖父を持ち、名は、トルコ語で「強い、優しい、美しい」などの意。
 2008年、あさのあつこ、後藤竜二両氏が選考委員を務めるジャイブ小説大賞で、初の大賞を受賞しデビュー。
 著書に、デビュー作の明治人情妖怪譚『一鬼夜行』シリーズ、『夢追い月』をはじめとする「蘭学塾幻幽堂青春記」シリーズ、『うわん 七つまでは神のうち』などがある。
 文庫書き下ろしを中心に人気を集めてきた著者にとって、本書が初の単行本となる。

内容説明

日本の夜明け前―幕末維新を駆け抜け、散っていった「新選組」。その人斬りに、志はあったのか。有名幹部の華々しい活躍の陰で、語られることのなかった無名隊士の人生もまた、あった。新しい世代の書き手による、近藤でも土方でも沖田でもない、新選組の物語。

著者等紹介

小松エメル[コマツエメル]
1984年東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒業。2008年、ジャイブ小説大賞で、初の大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hiro

82
アンソロジー以外でエメルさんの作品を読むのは初めて。『宮崎美子のすずらん本屋堂』でこの本の紹介を観て読むことにした。新選組を描いた小説を読むのは『燃えよ剣』以来。新選組の主役である近藤、土方、沖田ではなく、脇役である実在の6人を描いた連作短編集。創設時からの隊士、近藤の養子、監察方等新選組の中で立場、経歴が違う6人の夢や希望、それに対する苦しみや葛藤等を通して新選組をうまく描いているが、短編のため物足りなさも少し感じた。鮮やかな装画は、鳥が主人公達を彼岸花の赤が戦いで傷ついた人達を表しているように思った。2015/02/06

なゆ

59
新撰組にまつわる話を読むのは実は初めてで。先に無名隊士の短編読むのはどうかな?と心配したけれど、結構楽しめた。というか、私にとっては、ちゃんと新撰組に興味を持つキッカケになってくれたというか。ここに出てきた6人が、どんな感じに地味に出てくるのか逆に気になってきた。有名どころの新撰組ものをいくつか読んで、また再読したらさらに面白そう。近藤の養子になった周平の苦悩を描く「流れ木」と、隊士の切腹を見届ける酒井兵庫の「寄越人」、〝新撰組の死〟を見届けた中島登の「姿絵」が良かった。2015/01/28

アイシャ

44
久しぶりの新選組もの。主人公たちがスター隊士ばかりではない。古参の井上源三郎、蟻通勘吾(最終話にも少し出てくる、知らなかった人)、谷周平(一時局長の養子、この人辛かったよね)、酒井兵庫(寄越人、この人も知らない)、山崎烝(優秀)、中島登(のぼりと読む、知らなかった)らの視点から語られるスター隊士たちの話でもある。タイトルと言い、最後の話がのぼりさんということで、木内昇さんリスペクトなのではと思ってしまった。多くの若者を巻き込んだ新選組は、小説の題材としてまだまだ可能性があるのだろうな2024/12/24

Norico

40
小松エメルさんは、妖怪ものというイメージで手に取りましたが、こちらは新撰組を題材にした短編集。井上源さんや、山崎丞さんという有名どころも主人公になってますが、近藤勇の養子やその他語られることのない無名の隊士たちの、新撰組や近藤勇という人にかけるアツイ思いが感じられました。粛清された隊士たちの埋葬を取り仕切る「寄越人」という役割すら初めて知りましたが、つらそうなお役目。斎藤一さんの「生きろ」という言葉がやけに印象に残りました。2015/08/03

マムみかん(*ほぼ一言感想*)

38
素敵なタイトル、真っ赤な彼岸花に白鷺のインパクトある装丁に惹かれて手に取りました。 ちょっとマイナーな新選組隊士たちを主人公とした連作短編集。 とは言え、何作か新選組を題材にしたものを読んでいる人なら馴染みある名前ばかりですね。 小松エメルさんの作品は初めてだったのですが、正統派の新選組小説で良かったです。 新選組という「夢」にかけた一人一人の想いや生き様が、ぼ~っとあぶり出されてくるようでした☆2014/10/26

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