出版社内容情報
70年の時を経て、戦争の記憶を宿した種が花開くとき、過去と現在が交差する。史実をもとに描かれる「共生」をテーマにした物語。「あの塔が戦争中に日本人に殺されたシンガポール人の記念碑と知ったとき、ちょっとショックだった。そういうの、こっちにいれば、だれだってあるよ。私たちは日本にいる子たちよりはやく、底のない万華鏡をのぞいたんだよ」――本文より
小学6年生の間中朝芽(まなかはじめ)は、父親の転勤でシンガポールの日本人学校に通うことになった。新しい生活になじめない朝芽は、近所の植物園にひとりで遊びに行くようになる。そこで、肩にサルを乗せたイギリス人に出会い、「植物標本」のゆくえを聞かれる。どうやら彼は植物学者で、大切な植物標本を失ってしまったらしい。
それから、日本人の老人に、中国人の若者と、次々と不思議な人物に出会う。やがて朝芽は、彼らが過去の人物であることを知り、クラスメイトの主田さん、中国系シンガポール人とのハーフのカズとともに、彼らの探す「植物標本」を現代で見つけようとする。
その過程で明らかになったのは、思いもしなかった加害の歴史と、そのなかで手を取りあい、共生しようとした人々の願いだった。
長江 優子[ナガエ ユウコ]
著・文・その他
内容説明
熱帯雨林の森の中で、ぼくは1945年の幽霊に会ってしまった。シンガポールの日本人学校に通う小学6年生の間中朝芽は、雨あがりの植物園で出会ったサルつかいに、「奇跡の木」の植物標本をさがすよう頼まれる。
著者等紹介
長江優子[ナガエユウコ]
1971年東京都生まれ。武蔵野美術大学卒業。構成作家として主に子ども番組の制作に携わる。2006年『タイドプール』で第47回講談社児童文学新人賞佳作を受賞。同作品でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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