出版社内容情報
失った家族に会うため、あの世まで走ろうと決めた環は、入ったランニングチームで、生きる強さを学んでいく。感涙の青春ストーリー。9年前、家族を事故で失った環は、大学を中退し孤独な日々を送っていた。ある日、仲良くなった紺野さんからもらった自転車に導かれ、異世界に紛れ込んでしまう。そこには亡くなったはずの一家が暮らしていた。やがて事情により自転車を手放すことになった環は、家族に会いたい一心で道のりを自らの足で走り抜く決意をするが…。哀しみを乗り越え懸命に生きる姿を丁寧に描いた、感涙の青春ストーリー。
森 絵都[モリ エト]
著・文・その他
内容説明
不安でも孤独でも走らなければ、ゴールでみんなとまた会えない。「カラフル」につづく、感動ふたたび。
著者等紹介
森絵都[モリエト]
1968年、東京に生まれる。早稲田大学卒業。講談社児童文学新人賞を受賞した『リズム』でデビュー、同作品で椋鳩十児童文学賞を受賞。『宇宙のみなしご』で野間児童文芸新人賞と産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、『アーモンド入りチョコレートのワルツ』で路傍の石文学賞、『つきのふね』で野間児童文芸賞、『カラフル』で産経児童出版文化賞、『DIVE!!』(全4巻)で小学館児童出版文化賞、『風に舞いあがるビニールシート』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ふじさん
90
事故で家族を失った夏目環は、大学を中退し会社勤めをしながら孤独な日々を送っていた。そんな中で、仲良くなった自転車屋の紺野さんから貰った自転車に導かれ、異世界に紛れ込み、亡くなった家族と出会い、この世とあの世を行き来する生活が始まる。事情により自転車を手放すことになり、亡くなった家族に会い続けたい一心で、あの世への道のりを自らの足で走り抜く決意をし、ランを始める。ランで知り合った人々は、始めた動機も様々で個性も際立ち、人生も波瀾に富んでいて、読み応え十分。哀しみを乗り越え懸命に生きる姿が印象に残る青春物語。2024/04/12
優希
79
スポーツ小説と思いましたが、意外とスポーツ要素は少なかったと思います。大切な人を亡くすこと、生きることについてが心に沁みました。両親を亡くした環も徐々に成長していくのですね。辛いことは色々あるけれど、前に向かって歩む大切さを教えられた気分です。2019/05/06
だんたろう
42
タイトルから想像するスポーツ小説ではなく、「カラフル」と同じような生と死を見つめた小説だった。ファンタジーでもあるので優しく描かれているが、伝わってくるものは力強い。死を受け入れて肯定しながらも、だからこそ生きることの大切さを描いているよう。人生をマラソンに喩えることはよくあるけれど、目標を持って生き続けることは確かに重要。少しずつ、休憩しながらでもいい、生き続けろと言われているように感じた。2015/02/04
Ikutan
22
森絵都さんの新刊ということで 以前読んだ『ラン』の続編かと勝手に思っていたのですが、加筆修正したとのことで再読でした。家族を亡くした環の特別な体験。 そしてそのために始めたマラソン。イージーランナーズの一員となった環は走ることに目覚めていく。個性豊かなメンバーがそれぞれいい味を出していますね。疾走感のある文章はするすると読みやすい。切ない内容もありますが環がどんどん前向きになっていく姿は爽快です。頑張ろうと背中を押してもらえるお話です。2014/05/29
ねなにょ
20
『漁師の愛人』に続いて、森絵都、2冊目。自分から心を閉ざしている主人公の環を中心に、それぞれの登場人物が、それぞれの問題を乗り越えていくお話。「レーン越え」などの造語も含め、どうも乗り切れず、割と短めでシンプルな内容なのに、読み終わるのに時間がかかってしまった。2017/02/22




