出版社内容情報
1920年代黎明期に「職業婦人」と呼ばれた、オフィスで働く女性たち。男中心原理の職場で現代OLの大先輩は何を考えたのか。
OLの起源は意外に新しい。第一次大戦後の「職業婦人」と呼ばれる女性の出現。都市型知的女性労働者という存在はそれまでにない、きわめてモダンな社会集団だった。
「家計補助」「趣味修養」あるいは「自活の途を立てる」ため、台所から街頭へと進出した女性たちは、男性原理中心の職場に入り込み、いかなる人間関係のなかで、どんな仕事をしていたのか。
タイピスト、電話交換手、デパートガールなど会社での「補助的な仕事」を割り振られる一方、職場の花であることを求められ、結婚を機に早期退職を迫られる。「家庭内存在」であった時代には体験したことのない社会環境・労働環境のなかで彼女たちは何を思い、どう対処していったのか。大正~昭和初期の働く女性たちの意思と苦悩と悲哀、時代を支配するイデオロギーを、表象分析の手法で読み解く。
第一章 ラッシュアワーにも慣れました
近代への通過儀礼/パス連盟の甘いささやき/モデルノロヂオ/事務服というイデオロギー/ハイカラになりなさい
第二章 オフィスの花と呼ばれても
窓際の空席/騒音の誕生/思考絶縁器/給湯室、のようなもの/冷たいアルミ弁当箱
第三章 課長、それは無理というものです
課長の無理難題/処女林の鬱屈/不平不満アンケート/スピード競技会/できるOLの罠
第四章 残業デス、頑張るしかないわ
働く女性の系譜学/新興職業婦人の定義/サラリーマン恐怖時代/日本は女の働く国だ/職業婦人は知能が退化する/オフィスの花の悲劇
【著者紹介】
1954年生まれ。立教大学大学院文学研究科博士課程満期退学。独ボーフム・ルール大学、ベルリン・フンボルト大学客員研究員を経て、現在、早稲田大学教授。
専門は表象文化論、ドイツ文学。19~20世紀の科学技術に関する表象分析を通じて、近代人の精神史、未来を指向する大衆の文化誌を考察。
著書に『身体補完計画』『気分はサイボーグ』『美女と機械』『流線形シンドローム』『サラリーマン誕生物語』など多数。
内容説明
OLの起源は意外に新しい。第一次世界大戦後の「職業婦人」と呼ばれる女性の出現。―都市型知的女性労働者という存在はそれまでにない、きわめてモダンな社会集団だった。「家計補助」「趣味修養」あるいは「自活の途を立てる」ため、台所から街頭へと進出した女性たちは、男性原理中心の職場に入り込み、いかなる人間関係のなかで、どんな仕事をしていたのか。タイピスト、電話交換手、デパートガールなど会社での「補助的な仕事」を割りふられる一方、職場の花であることを求められ、結婚を機に早期退職を迫られる。「家庭内存在」であった時代には体験したことのない社会環境・労働環境のなかで彼女たちは何を思い、どう対処していったのか。大正~昭和初期の働く女性たちの意思と苦悩と悲哀を、表象分析の手法で読み解く。
目次
第1章 ラッシュアワーにも慣れました(走れ礼二;叔母の屈託 ほか)
第2章 オフィスの花と呼ばれても(ロビーでの訓辞;窓際の空席 ほか)
第3章 課長、それは無理というものです(課長の無理難題;処女林の鬱屈 ほか)
第4章 残業デス、がんばるしかないわ(働く女性の系譜学;日本は女の働く国だ ほか)
著者等紹介
原克[ハラカツミ]
早稲田大学教授。1954年生まれ。立教大学大学院文学研究科ドイツ文学専攻博士課程中退。1985~87年、ボーフム・ルール大学客員研究員。2001~02年、ベルリン・フンボルト大学客員研究員。専門は表象文化論、都市論、ドイツ文学。19~20世紀のポピュラーサイエンスに見られる科学技術の表象分析を通じて、近代人の精神史、未来を志向する大衆の文化誌を探究・考察している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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