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OL誕生物語―タイピストたちの憂愁

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  • サイズ B6判/ページ数 332p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062187909
  • NDC分類 366.38
  • Cコード C0020

出版社内容情報

1920年代黎明期に「職業婦人」と呼ばれた、オフィスで働く女性たち。男中心原理の職場で現代OLの大先輩は何を考えたのか。

OLの起源は意外に新しい。第一次大戦後の「職業婦人」と呼ばれる女性の出現。都市型知的女性労働者という存在はそれまでにない、きわめてモダンな社会集団だった。
「家計補助」「趣味修養」あるいは「自活の途を立てる」ため、台所から街頭へと進出した女性たちは、男性原理中心の職場に入り込み、いかなる人間関係のなかで、どんな仕事をしていたのか。
タイピスト、電話交換手、デパートガールなど会社での「補助的な仕事」を割り振られる一方、職場の花であることを求められ、結婚を機に早期退職を迫られる。「家庭内存在」であった時代には体験したことのない社会環境・労働環境のなかで彼女たちは何を思い、どう対処していったのか。大正~昭和初期の働く女性たちの意思と苦悩と悲哀、時代を支配するイデオロギーを、表象分析の手法で読み解く。

第一章 ラッシュアワーにも慣れました
       近代への通過儀礼/パス連盟の甘いささやき/モデルノロヂオ/事務服というイデオロギー/ハイカラになりなさい
第二章 オフィスの花と呼ばれても
       窓際の空席/騒音の誕生/思考絶縁器/給湯室、のようなもの/冷たいアルミ弁当箱
第三章 課長、それは無理というものです
       課長の無理難題/処女林の鬱屈/不平不満アンケート/スピード競技会/できるOLの罠
第四章 残業デス、頑張るしかないわ
       働く女性の系譜学/新興職業婦人の定義/サラリーマン恐怖時代/日本は女の働く国だ/職業婦人は知能が退化する/オフィスの花の悲劇

【著者紹介】
1954年生まれ。立教大学大学院文学研究科博士課程満期退学。独ボーフム・ルール大学、ベルリン・フンボルト大学客員研究員を経て、現在、早稲田大学教授。
専門は表象文化論、ドイツ文学。19~20世紀の科学技術に関する表象分析を通じて、近代人の精神史、未来を指向する大衆の文化誌を考察。
著書に『身体補完計画』『気分はサイボーグ』『美女と機械』『流線形シンドローム』『サラリーマン誕生物語』など多数。

内容説明

OLの起源は意外に新しい。第一次世界大戦後の「職業婦人」と呼ばれる女性の出現。―都市型知的女性労働者という存在はそれまでにない、きわめてモダンな社会集団だった。「家計補助」「趣味修養」あるいは「自活の途を立てる」ため、台所から街頭へと進出した女性たちは、男性原理中心の職場に入り込み、いかなる人間関係のなかで、どんな仕事をしていたのか。タイピスト、電話交換手、デパートガールなど会社での「補助的な仕事」を割りふられる一方、職場の花であることを求められ、結婚を機に早期退職を迫られる。「家庭内存在」であった時代には体験したことのない社会環境・労働環境のなかで彼女たちは何を思い、どう対処していったのか。大正~昭和初期の働く女性たちの意思と苦悩と悲哀を、表象分析の手法で読み解く。

目次

第1章 ラッシュアワーにも慣れました(走れ礼二;叔母の屈託 ほか)
第2章 オフィスの花と呼ばれても(ロビーでの訓辞;窓際の空席 ほか)
第3章 課長、それは無理というものです(課長の無理難題;処女林の鬱屈 ほか)
第4章 残業デス、がんばるしかないわ(働く女性の系譜学;日本は女の働く国だ ほか)

著者等紹介

原克[ハラカツミ]
早稲田大学教授。1954年生まれ。立教大学大学院文学研究科ドイツ文学専攻博士課程中退。1985~87年、ボーフム・ルール大学客員研究員。2001~02年、ベルリン・フンボルト大学客員研究員。専門は表象文化論、都市論、ドイツ文学。19~20世紀のポピュラーサイエンスに見られる科学技術の表象分析を通じて、近代人の精神史、未来を志向する大衆の文化誌を探究・考察している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

DABAN

1
1920年代の「職業婦人」、とくにタイピストの登場についての本。まずタイピストという職業が1920年代に確立していることに驚いた。梅棹忠夫の『日本語と事務革命』では戦前には和文タイプは普及しなかったとされているからだ。タイピストは何を打っていたのか。カナモジ文書か、漢字タイプか、公文書か社内文書か。そういう労働の中身は書いていなかった。あと職業婦人の成立は、サラリーマンの誕生とも表裏一体のはずだ。職業婦人と和装の問題、騒音の問題など、興味深い論点はたくさん入っている。2022/10/04

takao

1
大正~昭和初期に誕生した職業婦人2019/09/22

ぽて子

1
ぼんやりとしたイメージが具体的になり、この時代の市井の人の日常生活にますます興味がわいた。と同時に、このころからさほど進歩ないなーと荒んだ気持ちに…w2014/05/07

atsut101

0
サラリーマン誕生物語のある意味での続編。入社3年目の主人公の阿部礼二と同期の本野虫雄と三角定規が勤める貿易商社を舞台にOL、タイピストを中心に、誕生したばかりの職業婦人の状況を物語調で分析していきます。OLの待遇が改まるのに、100年近くかかっていることに、愕然としました。面白かったです。2014/06/28

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