ミッキーは谷中で六時三十分

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ミッキーは谷中で六時三十分

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  • サイズ B6判/ページ数 259p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062187442
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

記憶と言葉、男と女を描いた魅惑の7篇。今こそ片岡義男を読むべき時であることを印象づける、鮮やかに研ぎ澄まされた作品集。フリーライターで独身の柴田耕平は、ふと入ってみた喫茶店で店主から突然、独身の娘のおまけつきで喫茶店をやらないかと誘われる。娘のナオミに連れられ、今度は母親が食堂を開いている谷中へ。ある家族を巡った疾走感あふれる一日の物語。(「ミッキーは谷中で六時三十分」)

髪が長く中性的な雰囲気の翻訳家・西野晴彦は、女物の服を好み、いつもタリーズでコーヒーを飲む。編集者と打ち合わせするときも、建て替えの相談のあとも、母が亡くなった日も、彼は同じようにショートサイズのコーヒーを飲んだ。(「タリーズで座っていよう」)

才気あふれるカメラマン、女優でもあるラジオ・パーソナリティ、奇妙な人々が集まる喫茶店のウェイトレス。高円寺の美しい三人の「ゆかり」と、五十代の作家が織り成す不思議な出会い。(「三人ゆかり高円寺」)

料理人の麻紀子と翻訳家のミルカは、偶然喫茶店で出会った作家の久保寺と編集者の津村と連れ添って、カレ?ライスを食べに「下りの各駅で六つ目」の駅へ。ウルトラマンが見守るその場所で交わされるのは、懐かしい漫画やアニメの話。やがて三人と別れた麻紀子は、ひとり三軒茶屋へ……。(「酔いざめの三軒茶屋」)

谷中、高円寺、祖師ヶ谷大蔵、三軒茶屋、経堂、下北沢、吉祥寺、渋谷……東京の街を舞台に、記憶と言葉、男と女を描いた魅惑の7篇。どの短篇も太陽が南中して影が一切ない日なたのように研ぎ澄まされた文章と構造を持っています。著者は2014年に作家生活40周年を迎えます。今こそ片岡義男を読むべき時であることを印象づける、鮮やかに研ぎ澄まされた作品集です。

「ミッキーは谷中で六時三十分」
「三人ゆかり高円寺」
「酔いざめの三軒茶屋」
「お隣のかたからです」
「タリーズで座っていよう」
「吉祥寺ではコーヒーを飲まない」
「例外のほうが好き」


片岡 義男[カタオカ ヨシオ]
著・文・その他

内容説明

谷中、高円寺、祖師ヶ谷大蔵、三軒茶屋、経堂、下北沢、吉祥寺、渋谷…東京の街を舞台に、記憶と言葉、男と女を描く作家デビュー40周年、7篇の東京小説。

著者等紹介

片岡義男[カタオカヨシオ]
1940年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始める。1974年「白い波の荒野へ」で作家としてデビュー。翌年発表した「スローなブギにしてくれ」で野性時代新人文学賞を受賞。小説、評論、エッセイ、翻訳などの執筆活動のほかに写真家としても活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

wonderhoney

35
みんなコーヒーを飲む。とても穏やかな文章で、日常からちょこっとはみ出た場面。ほんとにちょっとだけ非日常。偶然が偶然を呼んで。もしくは、自分で呼んできてたり?? のんびり、でも、ちょっとひっかかる。そんな物語でした。2016/08/17

SOHSA

30
《kindle unlimited》2013年から14年にかけて発表された7つの小説からなる短編集。片岡義男の短編はどれも軽快で読んでいて快適な気分になれる。それぞれのタイトルも片岡らしくて素敵だ。私は個人的に片岡小説は夏に読みたくなり、夏という季節がよく似合う小説だと感じている。特に夏が間もなく終わるような頃合いの季節に。だが今年は季節のほうが変だ。夏なのに以前の夏らしくなく、単に暑かったり高湿だったり突然の集中豪雨だったり。片岡義男の小説によく似合う日本の夏がまた訪れてくれることを願ってやまない。2024/08/30

おいしゃん

25
初読み作家。古風でまわりくどい書き方に、表題作でもある一つ目はある意味新鮮に読めたが、それ以降はそれ以上の感想も浮かばず…。2020/12/17

ほほほ

25
7つの短編集。『ミッキーは谷中で六時三十分/三人ゆかり高円寺/酔いざめの三軒茶屋/お隣のかたからです/タリーズで座っていよう/吉祥寺ではコーヒーを飲まない/例外のほうが好き』自立した自由な大人たちの東京散歩物語。コーヒーは絶対に欠かせない。自分らしささえ確立していれば、どんな偶然だって必然になりうるんだな、と思いました。目を疑うようなシュールな会話や出来事もちらほら。サザエさんやウルトラマンのお話、カレーのお話などは読めて嬉しかった。楽しめました。2015/06/11

onasu

24
タイトルに惹かれて、久々に片岡さん。それでも読み出してすぐに、やっぱりこの方の作品だ、なんて思うのは一定の年齢以上か。あえて言えば、登場人物が幾分歳を取ったよう。  「谷中で〜」は、表題にして巻頭の一編。例によって、このやり取りないよな、それに中々谷中に行かないし、とは言わずもがな。他には、世田谷区内、小田急線沿線を舞台にしたものが多い。お住まいがこの辺りなのか。最近も行ったところなので、街の風景が浮かんできて楽しませてもらえた。  何らかの合間に一編ずつ、気がついたら残りわずか、何て読み方もいいかも。2014/10/22

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