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教誨師

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  • サイズ B6判/ページ数 290p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062187411
  • NDC分類 326.53
  • Cコード C0095

出版社内容情報

半世紀にわたり死刑囚と向きあったある僧侶。誰にも語らなかったその体験と懊悩を、自身の死後世に問うてくれと著者に託した意図とは2009年『死刑の基準』で、第32回講談社ノンフィクション賞、2011年『裁かれた命』で、第10回新潮ドキュメント賞、2013年『永山則夫―封印された鑑定記録』で、第4回いける本大賞をそれぞれ受賞。人が人を裁く意味を問い続け、高い評価を得てきた著者が、新作では、ある一人のベテラン教誨師の人生を追った。

許されざる罪を犯し、間近に処刑される運命を背負った死刑囚と対話を重ね、最後は死刑執行の現場にも立ち会う、教誨師。過酷なその仕事を戦後半世紀にわたって続け、死刑制度が持つ矛盾を一身に背負いながら生き切った僧侶の懊悩とは。

一筋縄ではいかない死刑囚たちと本音でぶつかりあい、執行の寸前までその魂の救済に向かおうとする教誨師の姿――。執行の場面では「死刑とは何か」「人を裁くとは何か」「人は人を救えるか」について深く考えさせらる。力作ノンフィクション。

序章    坂道
第一章  教誨師への道
第二章  ある日の教誨室
第三章  生と死の狭間
第四章  予兆
第五章  娑婆の縁つきて
第六章  倶会一処       
終章   四九日の雪


堀川 惠子[ホリカワ ケイコ]
著・文・その他

内容説明

一四歳の夏、渡邉普相は広島の爆心地のすぐそばにいた。そこで見たものは、戦争という人間の愚かさが作りだした無用の「死」だった。後年、教誨師となってから見たものは、人間が法律という道具で作りだした罰としての「死」であった。ふたつの死とともに歩んだ僧侶の人生が語りかけること。

目次

序章 坂道
第1章 教誨師への道
第2章 ある日の教誨室
第3章 生と死の狭間
第4章 予兆
第5章 娑婆の縁つきて
第6章 倶会一処
終章 四十九日の雪

著者等紹介

堀川惠子[ホリカワケイコ]
1969年広島県生まれ。ジャーナリスト。フリーのドキュメンタリーディレクターとして番組制作に取り組むとともに、ノンフィクション作品を発表。『死刑の基準―「永山裁判」が遺したもの』(日本評論社・2009年)で第32回講談社ノンフィクション賞、『裁かれた命―死刑囚から届いた手紙』(講談社・2011年)で第10回新潮ドキュメント賞受賞。近著『永山則夫―封印された鑑定記録』(岩波書店・2013年)で第4回いける本大賞受賞。『永山則夫100時間の告白―封印された精神鑑定の真実』(NHK・ETV特集・2012年)で第13回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ナイスネイチャ

148
図書館本。読友のMs.Hさんからのおススメでした。ノンフィクションという前置きで重たい内容でした。もともと死刑廃止論に賛成でしたが、この作品で改めて思いました。人を殺めた死刑囚を殺める(処刑する)・・・人間にそんな権限があるのかと。死を覚悟した死刑囚と向き合う教誨師の生き様、ものすごかったです。勉強になりました。2015/03/26

かず

101
★★★★★これはもう、他の皆さまのレビューにお任せします!(笑)人の命を考えること、人の心を考えること、宗教を考えること……。どれも、考えるほどに何故か絶句してしまいます。だからこそ本書のような存在を経由して皆で考え合うことができる。少なくとも私自身、こういうテーマを人に投げかける方法を持っていない。私にとってとても貴重な良書。2016/09/20

95
渡邉普相さんの教誨師としての人生。多くの重く苦しい死を、ひとり抱えて生きる人生。普段生きていて、誰がどのように死刑を執行しているか、死刑囚がどんな人間か、考えたことがあるだろうか。所詮他人事。その先なんて、考えもしない。語られる死刑囚たちは、重い罪状からは想像も出来ないほど、ごくありふれた人間だった。教誨師も人間。死刑囚も人間。人間みんな死刑囚という言葉に頷かざるを得ない。何気ない言葉で人を傷付ける。誰かや何かのせいにする。それでも、悩み、自分と向き合い、後悔も引き摺って、生かされている今を生きなくては。2015/04/12

バイクやろうpart2

82
初読み作家さんです。恥ずかしながら『教誨師』渡邉普相さん、知りませんでした。人生の大半を教誨師の役割とは?を追い求められたこと、その時間の長さは、この日本の死刑制度が如何に重く難しいことの裏返しであることを感じます。マスコミ報道だけで死刑を聞き流していた自分を恥じるとともに、これを機会に一歩踏み込んで考えてみたいと思います。2018/04/30

どんぐり

77
死刑廃止の考えをもつ著者の『永山則夫―封印された鑑定記録』に次ぐ作品。渡邉普相(1932年生れ)へのインタビューをもとに死刑囚教誨を執り行うひとりの僧侶の目に映った「生と死」を描くノンフィクション。知らないことばかりで、これは勉強になる。教誨師は、死刑囚と自由に面会することを許された民間人で、間近に処刑される運命を背負った死刑囚と対話を重ね、最後はその死刑執行の現場にも立ち会う。教誨師は長く向き合ってきた死刑囚を、別れの時は自ら「人殺し」と呼ぶ儀式で見送らなくてはならない。その矛盾に満ちた行為に、いつしか2015/01/20

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