出版社内容情報
酒場“ブラディ・ドール”オーナーの川中と街の実力者・久納義正。いくつもの死を見過ぎてきた男と男。戦友のため、かけがえのない絆のため、そして全てを終わらせるために、哀切を極めた二人がぶつかる。
内容説明
病死した戦友の息子・野本精一から金の無心をする電話がかかってきた。私は何も聞かず借金を肩代わりしたが、精一はある男に怯えていた。その男は私もよく知るN市の酒場“ブラディ・ドール”のオーナー、川中良一だった。川中は精一を殺すという。だが、あえて私は精一を守ることにした。戦友の息子という、ただそれだけのために―。S市の実力者として君臨してきた久納義正が、川中とぶつかり合う、不朽のハードボイルド長篇。
著者等紹介
北方謙三[キタカタケンゾウ]
1947年佐賀県唐津市生まれ。中央大学法学部卒。81年『弔鐘はるかなり』でデビュー。83年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞を、85年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を、91年『破軍の星』で柴田錬三郎賞を、2004年『楊家将』で吉川英治文学賞を、06年『水滸伝』(全19巻)で司馬遼太郎賞を、09年日本ミステリー文学大賞を、11年『楊令伝』で毎日出版文化賞特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
51
単行本から6年たってやっと文庫本が出ました。「約束の街」シリーズの8巻目です。最近、北方さんは中国ものや時代劇ものにのめりこんでしまっていてこのような現代もののハードボイルドを出してくれません。今回は「ブラディ・ドール」シリーズの川中とこのシリーズの久納の対決が中心となっています。昔に比べると肉体的な対決は減りましたが、それでもこのシリーズならではのものがあります。まだまだ現代ものハードボイルドを書いてほしいのですが。2015/05/09
水面頼光
7
巻ごとに異なる人物からの一人称。ある巻では主役が別の巻では脇役になるが、既に主役目線での物語を読んでいるので、脇役それぞれに感情移入してしまう。新しい巻を読む度にワクワクするシリーズ。今回も登場人物達の圧倒的な存在感。片腕のピアニストがピアノを弾く場面は本当に音が聴こえてきそうな気がした。2016/08/03
たーくん
6
約束の街シリーズ第8弾。かつてのように一気に読めず、噛みしめるように、じっくり読むべき作品になったようだ。2015/08/15
GO-G
4
大好きなシリーズです。ブラディドールの方が好きです。凄く楽しく読みました。でも何だか物語が破綻してるような、、、。闘う理由が無理やり感があります。ハリウッドの〇〇〇5みたいになってきてますが、このシリーズが続く事を切に願います。ハードボイルド\(^_^)/2015/09/21
正太郎
4
ものすごく久しぶりの北方謙三。ブラディドールシリーズの面子が出てる時だけ読んでます。一般受けはしない本です。が、個人的には好きです。2015/05/16