哲学者たちのワンダーランド―様相の十七世紀

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哲学者たちのワンダーランド―様相の十七世紀

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  • サイズ B6判/ページ数 276p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062187077
  • NDC分類 133
  • Cコード C0010

出版社内容情報

デカルト、スピノザ、ホッブズ、ライプニッツ――十七世紀を代表する4人の哲学者は、いったい何を目指したのか。スリリングに解読。

十七世紀は、大哲学者の時代、といわれます。その中でも代表的なのが、デカルト、スピノザ、ホッブズ、ライプニッツです。
デカルトは、「近代哲学の父」と称され、「われ思う、ゆえにわれあり」は、あまりにも有名です。スピノザは、「神即自然」と言いました。聞きようによっては、無神論にもみえる、なかなか危険な哲学です。ホッブズは、国家を考え、社会契約説を打ち出しました。ライプニッツは、モナドという独特のアイデアから巨大な哲学を構築しました。
それぞれ大哲学者であることは、衆目の一致するところですが、著者は、この4人に、深い連関を見て取ります。
それまで自明だった世界の底が抜けて、足元の支えがふっと消えてしまった世紀。それが十七世紀の本質であって、哲学もまた、底が抜け、「無限」が口を開いている。宇宙の無限、神の無限。
そのような事態に、どのようにして彼ら4人は、立ち向かっていったのか。
それを読み取ることは、もっともスリリングな哲学的営為ではないか。
明快な文章で、4人の大哲学者の本質にせまる力作。

序 世界の底が抜けたとき
第一部 デカルト
      確実性に取り憑かれて
      無根拠なる支えとしての神
第二部 スピノザ 
      「現実」を作ってみる
      精神は自分の外にいる
第三部 ホッブズ
      哲学はシミュレーション
      約束という暴力
第四部 ライプニッツ
      スピノザの崖っぷちから引き返す
      ここが最善世界であるかのように

【著者紹介】
1951年、京都府生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。専攻は、哲学、哲学史。現在、大阪大学教授。国際哲学雑誌Studia Spinozana編集委員。おもな著書に、『スピノザの世界』(講談社現代新書)、『デカルト、ホッブズ、スピノザ』(講談社学術文庫)、共著に『スピノザと政治的なもの』などがある。

内容説明

神も国家も底抜けの無限だ!?デカルト、スピノザ、ホッブズのプロジェクトと修復するライプニッツ!本気で過激な「哲学の世紀」への招待。

目次

第1部 デカルト(確実性に取り憑かれて;不可能に出会うこと ほか)
第2部 スピノザ(光がそれ自身と闇とを顕わすように;「現実」を作ってみる ほか)
第3部 ホッブズ(国家論へ―ホッブズとスピノザ;哲学はシミュレーション ほか)
第4部 ライプニッツ(ライプニッツ、あるいは世界の修復;スピノザの崖っぷちから引き返す ほか)

著者等紹介

上野修[ウエノオサム]
1951年生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。専攻は、哲学、哲学史。現在、大阪大学大学院文学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

36
『哲学史入門Ⅱ』に啓発されて再読してみた。全く同じデカルト、スピノザ、ホッブス、ライプニッツを論じている。一般の読者に開かれた文章ではあるが、どことなく表面に膜の掛かった迂遠な表現が多く、読み辛い印象が一層残った。もし未読で本書に期待している読者がいたら、『哲学史入門Ⅱ』が明快であり、これ以上は他の本に移った方が良いと伝えたい。2024/06/09

非日常口

20
ドイツ30年戦争からウェストファリア条約により国民国家が誕生し近代は成立した。その時代にいたデカルト(確実性と不可能性)、スピノザ(必然性:現実=自然=エチカ)、ホッブス(取り消し不可能性、Jusを自然法/自然権に分ける)の思考はどうやら存在の大いなる連鎖を切断する方へ向かったようだ。そうしてバラバラになったつながりをライプニッツは多重パースペクティブでモナドによって再構成させる。個人的には現象のまっただ中にいるモナドはプラネタリウムというより世界劇場な印象も受ける。2014/09/21

kthyk

14
あとがきに本書は月刊「本」の巻頭に一年間連載したものをもととしているとあり、なるほど馴染みやすいデカルト、スピノザ、ホッブス、ライプニッツ解説の良書。序章に17世紀は世界の底が抜けてしまった時代とある。それは神話と宗教に支えられていた「黄金時代」から哲学と科学による「人間時代」への変容。近世・近代建築の読解の際の得心でもある。しかし、物理科学が量子跳躍へ変容した現代、形而上学的オブジェクトの解体後の建築に何が可能かが小生のテーマでもあり、終始詳細が気になり読み進めた。そして、関心はライプニッツに集中した。2024/11/14

ころこ

13
バロック期の哲学者4人を取り上げたエッセイです。4章立てになっており、デカルト、スピノザ、ホッブス、ライプニッツに各章を充てています。エッセイと言っても、各哲学者のステレオタイプの印象を解体させるために工夫しており、読み易くはありません。各章に跨いで、例えばデカルトとスピノザを比べたり、スピノザとホッブスを比べたり、ライプニッツとデカルトを比べたりしています。特にホッブスの社会契約論は、物体論、人間論の射程に国家論としての社会契約論があるということで、先々「リヴァイアサン」を読む際の示唆を受けました。2017/11/20

hakootoko

6
最高に勉強になる。最高に面白い。これのあと『カントからヘーゲルへ』を読んで思ったのは本書はそれのオマージュ?なんというか、両書ともに最終章に入るとエモくなるように書いてある。ライプニッツはエモい。19世紀版でねえかな。2021/11/17

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