たからもの―深川澪通り木戸番小屋

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 258p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062186292
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

急逝した時代小説の名手による、最後の「深川澪通り木戸番小屋」。木戸番夫婦が人々の心に温かな灯をともす、逸品揃いの八篇を収録。

江戸・深川。木戸番の笑兵衛とその妻、お捨は、人にいえない苦労の末に深川に流れてきたと噂されている。
無口だが頼りがいのある笑兵衛と、ふっくらとした優しさで人々を包み込むお捨のもとには、困難な人生に苦しむ人々が日々、訪れる。
悲しみや愁いを抱えた人たちの背中をそっと押す二人。
生きてゆくことにささやかだが確かな希望の灯をともす、八篇を収録。

今年3月に逝去した著者による、このシリーズ最後の1冊。

【著者紹介】
1938年、東京、新橋生まれ。1969年「粉雪舞う」で小説現代新人賞佳作、「ママは知らなかったのよ」で新潮新人賞、1989年『深川澪通り木戸番小屋』で泉鏡花文学賞、1993年『恋忘れ草』で直木賞、1997年『江戸風狂伝』で女流文学賞、2005年『夜の明けるまで 深川澪通り木戸番小屋』で吉川英治文学賞をそれぞれ受賞。ほかの著書に「慶次郎縁側日記」シリーズ、『父の戦地』、『あんちゃん』など多数。2013年3月、75歳にて死去。

内容説明

中島町澪通りの木戸番夫婦は、もとは武士だったとか、日本橋の大店の主人だったとか、いずれにしても品のよい夫婦で、界隈の人達は困ったことが起きると知恵を借りに行くという。傷ついた人にいつでもそっと寄り添ってくれた、お捨、笑兵衛夫婦。大人気シリーズ、最終巻。

著者等紹介

北原亞以子[キタハラアイコ]
東京、新橋生まれ。1969年小説現代新人賞佳作、新潮新人賞を受賞しデビュー。1993年『恋忘れ草』で直木賞を受賞。『深川澪通り木戸番小屋』シリーズでは、1989年に泉鏡花賞を、2005年『夜の明けるまで深川澪通り木戸番小屋』で吉川英治文学賞を受賞している。2013年3月永眠。歴史時代作家クラブ特別功労賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 2件/全2件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぶんこ

54
夫にも息子にも娘にも、そして母親に置き去りにされた孫達にもそむかれたような気持ちになるおもんさん。 とても共感できて切なかったです。 死まで考えたおもんさん、お捨さんに見つかったホッとしました。 お孫さんの事を「たからもの」というお捨さん、笑兵衛さん夫婦が素晴らしいです。 こんなにも見返りを求めないお節介、とても出来ないと感嘆しきり。 もっともっと読んでいたかったです。2015/05/22

BlueBerry

45
北原亞以子さんの遺作になるのかな。大好きな人情話のシリーズでした。この本も穏やかで心に灯りが灯る感じ。地味な感じの本なので読者数も少ないようだから敢えてお勧めしておきましょうかね。2013/11/14

おか

43
北原亞以子さんの多分絶筆です。このシリーズ最終の短編集が発行されたのは 亡くなってからのようです。直木賞の「恋忘れ草」も好きだけど、このシリーズも大好きです。市井のどこにでもある ありふれた困り事も 北原さんに掛かれば いや お捨さんと笑兵衛さんに掛かれば すいすいすーいと 収まる所に収まっていく。だれにでも こんな話をきちんと聴いてくれる人がいる場所って必要ですよね。さて次は「慶次郎縁側日記」のシリーズにいきましょうかね2023/01/11

baba

32
久し振りの木戸番シリーズ。市井に暮らす人々が辛く、悲しく苦しむ気持ちを笑兵衛、お捨て夫婦の出合で救われる。いつ読んでも心が温かくなる。2017/03/25

松風

27
全くの善良なる悲劇のヒーロー、ヒロインではなく、自業自得な面も少なからずある(そしてその「自業自得」は読者にも思い当たる節が満載)人々も、お捨・笑兵衛にかかれば皆救われる。安易といえばそれまでだが、それで読んだ私も確かに「救われる」のだ。救済の物語に感謝と追悼。2014/02/05

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/7266412
  • ご注意事項

最近チェックした商品