出版社内容情報
アメリカの人々は、「ヒラオカの木琴」で目を覚ます・・単身アメリカに渡り、レギュラー番組を持つまでになった平岡養一の痛快な人生第36回サントリー学芸賞(社会・風俗部門)受賞!
第24回吉田秀和賞受賞!
第6回朝日21関西スクエア賞受賞!
1907年(明治40年)生まれの平岡養一は独学で木琴を学び、慶應義塾大学卒業後わずか22歳で「木琴王国」のアメリカへ渡る。NBCの専属となり、まだテレビのない時代、毎朝15分のラジオレギュラー番組をもつようになる。やがて、「全米の少年少女はヒラオカの木琴で目を覚ます」と言われるほどの人気を得て、日米開戦の朝まで10年9ヵ月もの間、放送を続けた。ラガーディア・ニューヨーク市長、ニューヨーク・フィルの友人たちに引き留められるが、日米交換船で帰国。戦中は、音楽挺身隊の一員として日本全国をめぐり、多くの人の心を慰めた。戦後も『紅白音楽試合』(NHK『紅白歌合戦』の前身)に出場するなど、クラッシックだけでなく、ポップスなど幅広いレパートリーを演奏した。そして、その踊るような独特なスタイルで日本人の心を捉え、国民的音楽家となっていく。
マリンバ奏者の著者は、「この木琴でしか弾けない」という曲の演奏依頼を受け、一世を風靡した木琴奏者・平岡養一の愛器と出会う。1935年製木琴の音色に魅せられた著者は、演奏会を縁に遺族と交流を始め、その木琴とバチ一式を譲り受けた。10歳の時、平岡と共演した経験をもつことから、平岡という人物に興味を抱くようになり、戦前に録音されたSP盤を含む音源や資料を集め、平岡養一の人生を描いていくこと考える。そのなかで、一時は日本の老若男女の心に響いた木琴が、自らが演奏するマリンバの「日本上陸」により、その時代を終焉させられたことも知る。
音楽家ならではの視線から書く、日米両国で大活躍した痛快な「音楽家の物語」。
序
第一章 神様がくれたもの
第二章 木琴王国アメリカ
第三章 ラジオスター
第四章 二つの祖国
第五章 ヴィルトゥオーゾへの道
第六章 日米交換船
第七章 音楽挺身隊員
第八章 国民的音楽家
第九章 木琴事始め
第十章 木琴からマリンバへ
第十一章 心から、身体から
第十二章 終生のライヴァル・朝吹英一
むすび
通崎 睦美[ツウザキ ムツミ]
著・文・その他
内容説明
全米の少年少女は、「ヒラオカの木琴」で目を覚ます―単身アメリカに渡り、ラジオのレギュラー番組を持ち、日米開戦の日まで10年9ヵ月、毎朝演奏を続けた日本人がいた。世界一の木琴奏者・平岡養一、その一途な人生。二人の演奏家の魂の交感が生んだ、音楽ノンフィクション。
目次
第1章 神様がくれたもの
第2章 木琴王国アメリカ
第3章 ラジオスター
第4章 二つの祖国
第5章 ヴィルトゥオーゾへの道
第6章 日米交換船
第7章 音楽挺身隊員
第8章 国民的音楽家
第9章 木琴事始め
第10章 木琴からマリンバへ
第11章 心から、身体から
第12章 終生のライヴァル・朝吹英一
著者等紹介
通崎睦美[ツウザキムツミ]
1967年京都市生まれ。京都市立芸術大学大学院音楽研究科修了。マリンバのソリストとして、ピアノ、ヴァイオリン、箏、リコーダーを始めとする様々な楽器やダンスとのデュオ、マリンバ・トリオ、室内楽やオーケストラとの共演など、多様な形態で演奏活動を行っている。2005年には、往年の名木琴奏者・平岡養一の愛器を譲り受け、木琴による演奏活動も始める。CDに『M×ピアソラ』(ewcc0005)『1935』(ALCD9071)など。2000年頃よりアンティーク着物の着こなしが話題となり、コレクションやライフスタイルが様々なメディアで紹介される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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