出版社内容情報
チベットという地域と活仏ダライラマへの熱き思いで結ばれた草原に生きる人びと。その姿に魅入られて30年。研究生活の軌跡を語る。
戦後、日本では忘れ去られてしまい、一般にはあまり知られていないことかもしれませんが、チベットから中央アジア、モンゴルまでは、チベット仏教を通じて深い関係がありました。かつて、清朝時代の内外モンゴルやロシア帝国内のブリヤート、カルムイクといった地域にまでチベット仏教は浸透していた。辛亥革命にともない、ゲルク派の法主ジェプツンダンパ八世(チベット人です)を元首としてモンゴルの独立を宣言したこともあります。しかし、ソ連邦の出現、中華人民共和国の成立とふたつの共産主義国家があわせて百年近く存在しつづけているため、仏教は長い抑圧の時期を迎えることになりました。しかしソ連、中央アジアでは民主化にともなって信教の自由も保障され、いまやゲルのなかにもふたたび仏壇が設けられ、ダライラマ14世の写真が飾られています。いっぽうでチベット本土においては中国政府による苛烈な弾圧が存在することはご承知のとおりです。
著者、棚瀬氏は若き日にチベットという地域とその地に生きる人びとの姿に魅入られ、文化人類学者の道を歩きはじめました。本書ではその自伝的軌跡と、チベットそのものとチベット仏教を紐帯とする遊牧世界の存在と魅力を紹介します。
序 章 冒険の始まりはインドだった
第一章 チベットと出会うまで
第二章 フィールドワークを始める
第三章 インドヒマラヤでのフィールドワーク
第四章 モンゴル世界への旅
第五章 インドヒマラヤふたたび
第六章 チベット本土への旅
終 章 シャンバラ国の実在について
【著者紹介】
1959年生まれ。1990年京都大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、滋賀県立大学教授。専攻は文化人類学、チベット地域研究。著書に『インドヒマラヤのチベット世界』(明石書店)、『ダライラマの外交官ドルジーエフ─チベット仏教世界の20世紀』(岩波書店)がある。
内容説明
京都大学の学風を慕って文化人類学を志した青年は、ヒマラヤの苛酷な自然とダライラマへの熱き思いを抱いて生きる人びとに出会い、チベット・旧ソ連・モンゴルをつなぐ広大な仏教世界の復興に目を向けることになる。青春の情熱が学問へと昇華した幸福な記録。
目次
序章 冒険の始まりはインドだった
第1章 チベットと出会うまで
第2章 フィールドワークを始める
第3章 インドヒマラヤでのフィールドワーク
第4章 モンゴル世界への旅
第5章 インドヒマラヤふたたび
第6章 チベット本土への旅
終章 シャンバラ国の実在について
著者等紹介
棚瀬慈郎[タナセジロウ]
1959年生まれ。1990年京都大学大学院文学研究科博士課程研究指導認定退学。現在、滋賀県立大学教授。専攻は文化人類学、チベット地域研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
moga
猫草
hechima1106
3000