出版社内容情報
日本最強の獣《羆》と森林保護官、望まざる死闘の果ては。元自衛隊の小説現代新人賞作家が、自然と人間を描き切った渾身作!
日本最強の獣《羆》と森林保護官、望まざる死闘の果ては。元自衛隊の小説現代新人賞作家が、自然と人間を描き切った渾身作!
【著者紹介】
1967年山形県南陽市生まれ。高校卒業後自衛隊入隊。除隊後、近畿大学豊岡短期大学卒業。2012年に第6回小説現代長編新人賞受賞作『焔火』でデビュー。本書が2作目となる。
内容説明
北海道日高山脈の王“羆”―。真冬にカメラマンが下山しないことで、物語は始まる。森林保護官・樋口孝也は、上司の山崎とともに捜索に乗り出すが、発見された死体には羆の爪痕があった。「食害事件」として始まった道警の捜査は、ひとつの終結を迎えるが…。元自衛隊の肉体派新人作家が、満を持して放つ、自然と人間を描き切った渾身作。
著者等紹介
吉村龍一[ヨシムラリュウイチ]
1967年、山形県南陽市生まれ。高校続業後自衛隊入隊。除隊後、近畿大学豊岡短期大学卒業。2012年、『焔火』が第6回小説現代長編新人賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
159
テンポよくアッという間に読了しました。2時間のアクション映画をみているような作品です。類似作品の『ファントム・ピークス』に比べるとページ数、文字数もさほど多くなく、変な蘊蓄も少ないのでストレスなくサクサク読めてしまいます。『シャトゥーン』よりは現実的な展開で、まさしく名作『羆嵐』の現代版といったところでしょうか。とにかく‘娯楽’という観点で読むべき作品であり、変に難しくテーマを見つけようとする必要はないと思われます。そんなにグロい表現もないし、変な人間の葛藤でイライラもしなかったので、安心して読めました。2013/11/02
モルク
97
大好きな熊もの。山から戻らぬカメラマンを探しに森林保護官の孝也と上司の山崎は雪山に入る。発見し見たものは無惨なカメラマンの死体であった。熊の仕業と察した二人、それから熊との闘いが始まった。山、自然界にはルールがある。自分の趣味のため罠をかけそのルールを破る人間がいる。その醜さ、被害者はもしかすると動物たちかもしれない。白いヒグマとの死闘はどきどきもの。「焔火」でその実力は知っていたが圧巻だった。ただ装備類の説明はくどいかな。「羆嵐」「邂逅の森」「ファントムピークス」などに比べるとエンタメ要素が高い作品。2018/02/28
Shinji Hyodo
90
『邂逅の森』『羆嵐』と私は過去2度程羆との生死を賭けた闘いを生き抜いてきた。顔の右半分を削ぎ落とされ、右ふくらはぎを食い千切られながらも必死で生き延びてきた。その後に日本狼との凄絶な対峙も経験している。その意味では山に生きる想像を超えた生き神とも云える獣との闘いのエキスパートと自負することを許して頂きたい。そんな私の自尊心を見事に打ち砕いたのが日高山脈に息づく「白羆」だった…確実にうちの山の神よりも強い(゚O゚)\(- -;…作者の吉村さんにしてみれば、こんな感想が許される訳が無い程面白かった‼️星満点2016/02/18
ゆみきーにゃ
67
《図書館》読友さんの感想が気になり読んでみました。この方の文章、すごく好きです。臨場感がすごくて読み終わった後はタカと一緒に困難を乗り切った感で満たされました。2014/10/10
ゆみねこ
63
日高山脈を舞台に活躍する新人森林保護官・樋口。先輩山崎とともに巨大な白羆と闘う。「海を撃つ」も素晴らしかったですが、こちらも圧倒的な描写にうならされます。ちょっと追いかけて他の作品も読みたい作家さんですね。こちらもお勧めです。2016/05/23
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